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TORADORA FANTASY
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- TORADORA FANTASY
「・・・ねー竜児・・・」
「・・なんだよ」
魔王面の鎧を着た少年が短く答える
「後どれくらい歩くの?」
「あそこのお城まで」
「はぁー」
チャイナドレスを着た少女は思わず溜息をつく
「えーもう亜美ちゃん疲れたー歩きたくなーい」全身黒ずくめで黄色のとんがり帽子をかぶった少女が駄々をこねる
「まーまーあーみんそうおっしゃらずに、もうちょっとで着くんだからみのりんと一緒に頑張ろうぜ?」そうなだめるように言い聞かせるのは
白いフードをかぶった少女
四人は城に向かって草原を歩いている
戦士竜児 モンク大河 黒魔術師亜美 白魔術師実乃梨 である
「でも疲れたのは確かだ一旦ここらで休もうぜ」
「「「はーい」」」満場一致で腰掛ける
「ふー、ったくここはどこなんだよ、日本じゃあねぇよな」兜を脱ぎ竜児は息をつく
「しかもなんなのこのかっこ、まるでRPGじゃない。つーかなんで亜美ちゃんこんな黒ずくめなの?」亜美が悪態をつく
「いいじゃん性悪黒チワワのばかちーにぴったり」
「んだとこのアホトラ!」
- 「はいはいそこまで、しっかしなんで私たちだけこんなところにいるんだい?北村君やほかの人たちは?」実乃梨が問いかける
「まったく持って分からねぇ、気づいたら草原にいた、どこの小説だ?これは」
「まてーばかちー逃がさーんとっとぅうわあっ!?」大河が盛大にこける
「「大河!」」
「いたた・・・ん?なにこれ」大河が起き上がり服の中に入っていたものを取り出す
「ん?それは・・クリスタルか?」
「なんでタイガーだけがそんな綺麗なものもってるの?私も欲し・・あ、もってた」亜美もクリスタルを取り出す
「ぱっぱかぱーんク〜リ〜ス〜タ〜ル〜」某狸ロボよろしく実乃梨が掲げる
「お、あったあった」懐から竜児も取り出す
「全部で四つか、でもこのクリスタルぜんぜん輝いていない変だな」
「こまけぇこたぁいいんだよ。これの謎も解くべく行こうぜみんな!」
「へーい、つーか高須君、何で勇者のかっこしてるわけ?顔だけならぜーったいラスボスの魔王面なのに、」
「お・・おまえなぁ・・・って大河、笑うな!」
「あひゃひゃひゃひゃ、はひーはひーいっ息がっぷふーふひゃひゃひゃ」
「どいつもこいつも・・・、おう!」気配を感じ後ろを見て飛び退る
「こ、こ、こ、こいつはモ、モ、モンスターってやつか?」
「「ひいいいい」」悲鳴を上げるのは亜美と実乃梨。亜美に関しては腰が抜けて座り込んでしまう
「なんだこいつら私を食べようってかああん?」と猛々しく吼えるのは大河、しかし足が若干震えている手乗りタイガーとはいえ人の子
怖いものは怖いのである。
「ま、まずいぞ・・ここは逃げよう、川嶋!」
「な、なに?」
「立てるか?」竜児の問いに亜美は首を振る。
「しかたねぇ、大河、櫛枝、逃げるぞ!」二人は頷く
「よし、川嶋つかまれ、逃げるぞ」竜児が膝立ちに背を向ける
「う、うん分かった・・」竜児の肩に手をかける
「しっかりつかまれよ。二人ともいくぞ!」亜美をおぶさり竜児は走り出す。何もいわず二人も走り出す。
目の前に見える城に向かって。
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