竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

 日記。徒然に。。。20

狩野すみれの日記より抜粋。
10月29日。
なんとか国立大学進学の道が見えたな。急な留学の中止だったからな。正直厳しいかと思ったが、まぁいいか。
それにしても随分と引っ張ったものだな、あの騒動も。人生の分岐点と言えばそうなるか。ふふ
取り敢えず、竜児には反省して貰うとするか。さて、どんな罰がいいか…お前はどう思う?竜児。
どうにも最近元気が無いからな。もしかして振られたか?
でもな竜児。同情はしないぞ?私はそこらの女とは違うんでな。愛されるより愛するを選ぶのさ。
だから今、私は楽しいぞ?竜児。


北村裕作の日記より抜粋。
11月10日。
どうやら俺は失恋大明神と呼ばれているらしい。まあ、全校生徒の前でアレだけ派手に失恋すればそうもなるか。
でもアレはもういい思い出だ。失恋大明神けっこうじゃないか!
狩野先輩に負けない生徒会を作ってみせる。もっと楽しい学校にしてみせる。
それが出来たら、俺の失恋だって無駄じゃないよな?高須。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
11月15日。
最近、私は変だ。少しだけ変だ。
高須君が気になる。高須君を目で追う。高須君を探す。
もしかしたら、私は彼を好きなのかも知れないと最近思う。でもそれは駄目だ。
私はそんなに起用じゃない。夢も恋もなんて追える訳無い。だったら今は夢を追いたい。
どうして君は私の前に現れたんだよ、高須君。
もっと早くに会ってくれたら…もっと先で会えてたら…ちゃんと君を見れたのに。
櫛枝はそれが悔しいよ、高須君。


高須竜児の日記より抜粋。
11月19日。
おかしい…どうやら世界は続いているようだ。櫛枝に「無理!」と言われては既に世界はデフコン1。3次大戦でも始まる程に世界は混沌としていて良いのに。
この前櫛枝が「私には夢があるんだ!ソフトでいつか全日本!そして世界に!その夢だけを今は追いたい。追うって決めたんだ!だから応援してよね、高須君!」だと。
夢だけを…かぁ。
なぁ櫛枝、その夢は遠いのか?ずっと遠いのか?
待ってる自信は有る!夢に負けない俺に成ってみせる!!
でもな?やっぱり俺は寂しい…俺だって寂しいよ、櫛え……人がシリアスに浸っている時に眠ボケ顔でウロウロするな長髪ドルーピーめ!
アイス喰いたくなる度に起き上がるんじゃない!!とっとと帰って寝……るのは帰ってからにしろ。
それにつけても「だから高須君!大河の事!頼んだぜ!」……それは君が俺の下に戻って来るまでって事か?
櫛枝よ。ライバルを教えてくれれば容赦無く俺が突き落としてやるから、なんとかその夢を2ヶ月位で叶えるように善処してもらいたい。



香椎奈々子の日記より抜粋。
11月28日。
ふぅ。なんか高須君って最近ぼうってしてる事が多い。多分…なんかあったわね。
でも良いよね。それは私とは関係ない。
私はね高須君。私とアナタが幸せであればそれで良い。それだけで良いのに…アナタはきっとそうじゃないのね。
難しいね、高須君。私達は、本当に難しい。でもあるよ、答えはきっと有る。
一緒に探そうね?
でも肉まん食べるのは良いんだけどね?大河の食べ欠けまで食べちゃうのはどうかと思うよ?
ま、私は高須君の食べ欠け、貰っちゃったけどね。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
12月3日。
試合に負けた。
私のミスで負けた。
いつも勝つなんて出来ない。そんなに甘くない。
だけどそれは自分を許してるだけだと思う。そんな事じゃ駄目だよ私!
もっともっと、頑張ろう!出来る精一杯をしなくちゃ。何の為に……うん。私は頑張るよ、高須君。


逢坂大河の日記より抜粋。
12月3日。
もうすぐクリスマスだ!!私はクリスマスが一番好き!
竜児に言ったら不思議な顔してた。でもサンタに会ったって言ったらなんか笑ってた。でも、久しぶりに竜児の笑顔見た気がした。
やっぱりサンタは良い子の味方なんだね。早くもご利益だよ。
でもホントだよ?去年。私はホントに会ったんだ!風船くれてケーキくれて!遊んで走って!すごく楽しかったんだよ。
「ふ〜ん。去年のクリスマスか〜。俺はなんか寂しい子に会ってな?今年はあの子も素敵なクリスマスを迎えれれば良いんだがな」て竜児言ってた。
大丈夫よ竜児!きっとその子も素敵なクリスマスを迎えられるよ!
だってクリスマスだもん!!


川嶋亜美の日記より抜粋。
12月5日。
まったくチビトラも本気で言ってんのかしらね?サンタなんて居る訳…まぁどうでも良いのよね、きっと。
それにしてもクリパ、かぁ。なんか良いよね、それ。
たまには裕作もマシな事するんじゃない。うん!これはチャンスよね!
実乃梨ちゃんは準備には参加しないけど、まぁパーティーにはコレるでしょ。
精々盛り上げようよ。年に一度のクリスマスなんだしさ!


高須竜児の日記より抜粋。
12月10日。
親友って素晴らしい。今日、俺はつくづく思ったね。能登よ。お前は親友だ。
素晴らしい話じゃないか!北村の失恋の傷を癒すのに?大河との恋を??能登…お前には座布団を11枚やってもいいぞ!!
今まで孤立無援だと思っていたが、いたんだな。お前の様な援軍が!!しかも春田も協力すると…駄目だ、涙が。
春田よ、俺はこの先どんな受験が待っていようとarlで通そう。もはや悔いは無い。お前を一人にはしないぞ!
ファミレスからの帰りも随分と大河は楽しそうじゃないか。うんうん。分かるぞ大河。
はしゃげはしゃげ。なんなら俺も乗ってやろうか?今日はそんな気分だぜ。
「楽しそうだね、大河」お前もそう思うか木原。うんうん。一緒に祝福してあげようではないか、彼女の幸せを。しかし木原も妙な事を言う。
「高須君って大河の事好きなのかと思ってた…違ったの?」小首を傾げて随分と可愛いじゃないか木原。今日のお前は当社比1.5倍の愛くるしさだな。俺のやったマフラーもよく似合うぞ?今度短く直してやろう。
そして特別に教えてあげよう。それはまったくの誤解だな、と。
竜と虎は並び立つのさ。俺達の視線が交わる事は無い。アイツがそうで有る様に、俺も前を見てるのさ。
「良かった」と抱きつくのか。お前も喜んでくれるとはな、北村達が居なければ抱きしめ返す所だ。今は頭を撫でるだけだ。
今夜はまさに記念日だ!新たな未来への道が見え出したな!
まず大河を何とかしよう。そして櫛枝よ。俺は心置きなくお前の夢の為に協力しよう。なんでも言ってくれ、これから先、俺はお前の為に生きる事が出来るのだからな!
ん?紅茶が欲しいのか?いいさ、取って置きを入れてやろう。なんなら丼で飲むと良い。
今年のクリスマスで北村と上手く行くよう、我々が取り計ろうじゃないかね。俺をサンタと呼ぶが良い。
北村よ、もうすぐお前の元にこの巨大なローゼンメイデンをお届けにあがろう。契約でもなんでもしてアリスでもアイスでも好きなだけ目指してくれたまえ。
でも木原、流石に不味くないか?別れ際に突然キスしてきて「驚いた?」は確かに驚いたがな。スーパーかのう屋の前でやるのはホントに驚いたな。
明日の学校が楽しみだな。先輩が「おもしれぇ」って…ほんとに驚いたな。


木原麻耶の日記より抜粋。
12月10日。
なんか嬉しいなぁ。そっか、大河の事は恋愛とは違うんだね?じゃあ…今日のは宣戦布告。ですよ?先輩。
大河になら、って思ったけど、そうじゃないなら私は引きませんから!マジ!本気だから。
だから面白いでしょ?こんな攻撃も。
先輩はまるおを振って、ココに残って、でもだからって譲りません。私だって高須君が好きだから。
奈々子にも亜美ちゃんにも、私は負けない。
私は高須君を信じるよ。このマフラーの想い。私に「アイツがそうで有る様に、俺もお前を見てるのさ」って言ってくれた君を、私は信じる。
今年のクリスマスはどうなるんだろう。ほんと、楽しいクリスマスになると良いな。


狩野すみれの日記より抜粋。
12月11日。
ふふ。そうか、なんとも面白い事になってるものだな、竜児?
いいさ、こうでなくては面白くねぇな。取り合えず今日の昼寝はアイツの中に胸元でまどろむ事にした。むろん、中庭でな?
さて、竜児が何か言ってたが無視だな。色々とお前には責任を取って貰うと言った筈だからな。教室の窓から強い視線を感じるが、今日はそれが心地良かったな。
別にお前の場所を取った積りは無いぞ?偶には良いだろう?逢坂。お前にも貸しはあるからな、あんまり面白い顔を見せてくれるな、癖になるじゃないか?
こんな日が、あっても良いだろ、って……お前も寝るとはな。
折角私が皆の前でキスをしてやったと言うのに、コレはまた貸しが増えたって事で良いな?竜児。


香椎奈々子の日記より抜粋。
12月17日。
今日は期末の勉強会。高須君も逢坂さんも優秀だもんね?教え方上手で助かったよ。アニキノートもやっぱり凄いよね。
高須君の家に私がお邪魔したけど、なんかもう人の家の気がしないかな?
高須君が居ない間、5日間通ったしね。
でもやっぱり高須君が居るとこの家も温かさが増す。ほんと、違う家みたいになる。
大河は飽きちゃったかな?少し早めに家に帰った。もう寝るようだ。
少し遅くなっちゃったけど、高須君の家で2人っきり。すごくドキドキした。で、ちょっと悪戯、わかってたかなぁ?寝たふりだったんだけど。
「香椎。送るから家帰って寝ろ」って揺すってくれたから、仰向けに転がってみたんだけど、どう?薄着だったんだけど…緊張、してくれたかな?
ずるいよね私。多分分かってる…何もしないって。
だから出来る、だから楽しい。
でもね?何かしても…いいな、ってのももちろん有るんだよ。だから寝ぼけた振りして抱き寄せたけど、流石に気付かれたか。「起きてるな?お前」だって。
勝ち誇っても遅いんだけどね?でも良い。勝たせといてあげるよ、今日はね。でも今度は駄目だよ?その時は、覚悟してよね?高須君。


逢坂大河の日記より抜粋。
12月20日。
最近は毎日がウキウキわくわくだ!クリスマスが待ち遠しい。
みんなでパーティーの用意が楽しい。勉強して、準備して、遅くなったら皆でご飯食べて!
去年のクリスマスは独りだった。サンタさんしか私の前には居なかった。でもね?サンタさん!今年は違うんだ!皆が居るの!
ありがとう。きっと去年私が寂しかったから、サンタさんがこの幸せをくれたんだね?
みんなにプレゼントを手配した。竜児が手伝ってくれて、去年よりずっと早く終わった。
あのくそジジイへのプレゼントは俺に任せろって竜児が言ってたけど、良いのかな?私の作ったケーキなんかで。


香椎奈々子(父)の日記より抜粋。
12月21日。
どうやらイブは奈々子はクラスメイトとパーティーらしい。去年もそんな事言ってたな?なんだか父さんは寂しいぞ?
だが私も忙しいから止むを得な!!……よっしゃ!『いいよぉ^^bイブは同伴しようねぇ!魅羅乃ちゃ〜〜ん!!カッシィは楽しみだぜい!』っとメールは打ったし。今年のイブは勝負だな。
奈々子よ。新しいママは永遠の23歳だけど良いかい?な〜〜んてな〜〜!!


川嶋亜美の日記より抜粋。
12月22日。
はぁ。ほんと、ずるい男だよね。なんであんなの好きになっちゃうんだろ?
裕作とタイガーがくっ付くのって面白くないんだと思ってた。でも違ったんだね?ちょっと驚き。
「北村が大河とくっ付いてくれるなら願ったり叶ったりだがな。俺としても応援はするぞ?なんでもやってやるくらいにな!」そこまでやる気にならなくても良いのになぁ。
なんかお父さんと娘って気がしてたんだけど、このお父さんは肝が据わってるらしい。何時でも嫁に出す気満々って感じ。
出来たらもう一度、最初から、私も一から入れて欲しかったのに。
奈々子が気を利かせてくれたのかな?折角二人っきりになれたのに、なんか寂しくなっちゃったな。でもビックリだよ。背中向けて転がった私の髪、急にすいてくるなんて。
「何時だってドコからだって、お前はお前のままでココに入ってくれば良いじゃねぇか。お前一人位、俺は楽勝だ」なんで?私、寂しそうに見えたかな?でも、ただ嬉しかった。それだけ。
だから私が高須君にしがみ付いたのは内緒。
私が少しだけ泣いたのも内緒。
高須君に少しだけ濃厚なキスをしたのも、内緒だよ?高須君。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
12月23日。
死にたい。私は何をやってるんだろう。よりにもよって大河の大切なモノを壊すなんて…信じられないバカだ、私は。
大河の言葉が嬉しかった。
高須君の言葉が嬉しかった。
高須君は一緒に星を直してくれた。
聞いてくれた。
居てくれた。
壊れても何度でも直るって教えてくれた。
呼んだらソコに居る、それがどんなに嬉しいか、私にも今日ようやく分かったよ、大河。
高須君はパーティーに来るのを待ってるって言ってくれた。
大河からはパーティーに来れば星を壊した事は許してあげるってメールが来た。
皆のことが好きになる。ドンドン、私の1番が皆になってく。私にはそれが恐いんだ。どうしようもなく恐いんだよ大河。
でも、だからこそ、私は、明日のパーティーに行くよ。行って楽しんで、それでもまだ夢を追う自分で居たいから、私は行くよ、大河。


高須竜児の日記より抜粋。
12月23日。
しっかし。なんで前日にこんな事になるのかねぇ。でもまぁ良い。櫛枝はパーティーに来る事に決めたらしい。それが大河が櫛枝を許す条件なら、是非も無いってことだ。
不幸な事故だぞ?櫛枝。気にする事は無い。まぁ明日は楽しもう。折角のクリスマスだしな。
泰子はどうやら同伴出勤らしいから夕飯はいらないみたいだし、まぁ精々俺も楽しむとするさ。なんか知らんがパーティー用の服は大河が用意した…つかあの親父のか?ネームはとってやる!
先輩はどうやら家族で過ごすらしい。ま、去年は先輩とケーキ作りの予定が突然ディナーになったんだったな?変なクリスマスだった。
今年は普通に終わって欲しいものだ。
さてと。今夜はこの禿げ散らかさない子泣き爺もどきをどうしたものかな?
人の寝巻きを散々濡らしてくれよって!……まぁいいか。櫛枝に見せたら本気で落ちるだろうからな、よくも我慢したもんさ。
しかし疲れて寝る程大泣きするとはな。どれ程大事な星だったのやら…モノは所詮モノだぞ?大河。
いつかこんな事だって、笑い話に出来る時も来るさ。取り合えず今夜はココで寝る事を許そう。お前が頑張ったからな?特別だ、今日はな。



逢坂大河の日記より抜粋。
12月24日。
今日はすっごく楽しかった!!竜児が居てみのりんも来て、北村君も居て!
バカチーと奈々子と麻耶と能登や春田も!皆が居て、みんなで騒いで!本当に楽しいクリスマス。
バカチーとこっそり練習した甲斐があった!竜児の奴ビックリしてた。
でも、体育館に入る前にゆりちゃんに会ったけど、なんか様子が変だった。
マンション買うとか言ってたのに、急にぽけ〜〜としちゃってさ。変なの?
ホント、楽しかったなぁ〜〜。
竜児は後片付けやるって言って残ってたけど、北村君が送ってくれたから平気。まぁ別に独りでも心配はしてないけど。
北村君も楽しかったって言ってくれた。
素敵な時間をありがと竜児。もう眠いや。明日は家で3人でパーティーだ!
家族でパーティー…家族で、だよ?
明日も、きっと楽しいんだ。おやすみ、竜児。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
12月24日。
今日は行ってよかったんだね。楽しかった。
あ〜みんも大河も、すっごく綺麗で可愛かったよ?それだけでも今日は満足さね!
木原さんがね「大河ってまるおの事好きなのかな?」って聞いてきた。やっぱり木原さんは北村君?だとしたらゴメンだ。私は大河を応援しちゃうもん。
私は大河は北村君の事を好きなんだと思う。多分一年の時から。
木原さんもどこか納得してた。
だって北村君と話してる大河、あんなに嬉しそうだもんね。
??なんか高須君が真っ白になってる?疲れたのかい?高須君。


恋ヶ窪ゆりの日記より抜粋。
12月24日。
これは唯の記憶。唯の思い出。
ホント、今日ほど驚いた事は無い……体育館の前に、竜が居た。
………どうして気付かないの?私。竜は……高須君だった。
服装と髪型しか変わってないじゃない!それでどうして見落とすのかな!ま、まぁ、思い込みで竜はヤクザで殺し屋でって印象が有ったから、まさか高校生なんて設定は想像もしてなかったわね。
でもまぁそれなら高須君にちょっとドキドキした事も頷けるわね。多分、どこかで気付いてたのかもしれない。その可能性に。
マンション購入の講座の事は今ひとつ覚えてない。なんか頭が混乱してた。
どうしてかもう一度確かめたくて学校に戻ったけど、もうパーティーは終わってた。そりゃそうよね。でも私も帰ろうとしたら……高須君は独りでグランドに立ってた。

高須君?って声を掛けたら……彼は静かに振り向いたけど、涙の跡があった。訳は聞かない。きっとそういうモノだと思う。
去年、クリスマスに会ったよね?「?あぁ、先生酔ってましたから覚えてないかと」それは確認。
1月に駅で、お巡りさんに囲まれてたよね?「ああ!あの後大変だったんすよ?長野まで行っちゃうし、向こうでもなんか捕まっちゃうしで」それは確信。
ゴールデンウィークに…会ったよね?「そ!………それはよく覚えてません」つまりこの嘘は肯定。
やっぱり彼は……竜だ!
「な!ゆ、ゆりちゃん先ん!!」このキスは再会の祝い。もう無いと思った再会の、お祝い。
ごめんなさい。と言う私に「別にいいっすけど…なんかやばいっていうか」そうね。教え子と教師だもんね。でも、ゴメン。もう私は疲れたの。少しだけ、このクリスマスの夜に少しだけ、夢を見たい。
どうして泣いてたのか、聞きたくなった。と思ったらもう聞いてた。
最初は渋ったけど、言わなきゃ高須君に無理やりキスされました〜って学校に言うって脅した。そんな青くなる事無いでしょうに。私からキスしたのに。
彼は今日、好きな人の想い人を知ってしまったようだ。
「私と大河は北村君の事を好きなんだと思う」と。それは一年の時かららしい。北村君は確かに目立つ存在だ。それほど不思議ではないだろう。
彼は櫛枝さんの事が好きだった様だ。この前告白したけど断られて、それでも好きでいようと思ったのに、今日、その事を聞いてしまった。
諦める積りは全く無いと言う。それは強さだ、尊敬に値する。でも少しだけ、今夜だけ、泣いていたかった様だ。邪魔しちゃったかな?
どうしてだろう…もう今夜、私は止まれない気がした。だから、私に背中を向ける彼を抱き止めて、ゴールデンウィークの事、覚えてるよね?竜さん。と。
「な、なんのこ」続き、しよう…今夜、あの日の続きを…しよう、竜。
コレ以上ないくらい驚いてたね?でも私はアナタの口を塞いで言うの。
ねぇ竜?どうしてキスをする時に目を瞑るのか分かる?って。分からないわよね?貴方達にはまだ分からなくて良い。でも今夜教えてあげる。
それはね?お互いの嘘がばれない様に、よ。
目の前の相手だけが全てでは無いと分かっているのに、その時だけは全てだと相手にも自分にも嘘を付く為に、目を瞑って、キスを……
貴方の中に誰かが居る。それでも生きて行く為に、必要な…竜。私は貴方の必要悪…だから今夜……
まさか夜の保健室で、教え子とHするなんてね?
でも……良かったわよ?竜…いや、竜児君。
だからコレはお返し。携帯のアラームはかけて上げる。
あの日貴方は私を抱いてないと書置きしたわね?だから私も書置きを残すわね。
『心配しないで竜児君。貴方はキチンと、私を抱いた。さようなら』


高須竜児の日記より
12月25日。
…おいおいおい……俺って、やっちまった……
書置きなんて必要ねぇ。しっかりくっきり覚えてやがる!
櫛枝の言葉で頭真っ白になった。また北村かって思った。もう訳わかんねぇ。
片付けして、なんか最後のみんなでじゃあなって言って…だけどグランドに居たら先生が…!!何やってんだよ!俺!!
嘘でも…なんかそれが、俺の中を突き動かした。ってかゆりちゃんを突き動いたわけだがって言うな!!
なんか櫛枝の気持ちも、俺の気持ちも、全部誤魔化したかった。そんな方法を、教えてくれた気がした。
保健室に一緒に行って、ゆっくり服脱がしたのは覚えてる。
先生を舐めて、味わって、途中で何度か先生イっちゃったけど、それでも止まれなかった。何時もは俺を止めてくれるモノは、昨日は居なかった。
中はあたたかくて、きつくて、気持ち良くて。動くたびに「あぁ!あん!いひゃ!!」って、もう真っ白になった。
それからはよく覚えてない。
俺もゆりちゃん先生も、何度も何度も達したのは、気の所為じゃない。
どうすんだよ………これ。