竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

日記。徒然に。。。16

逢坂大河の日記より抜粋。
9月5日。
まったく竜児は気が利かない駄犬だ。でもまぁいいや。それでもアイツは良い奴だもんね!まぁチョッとだけど。
でもバカチーもなんであんなに疲れてるんだろ?そんなに大変ならなんか削ればいいのに。
モデルと文化祭の主役。それに普通の学校生活。息抜きも必要よね?
ま、竜児も役に立ったならいいんだけど。
なんかバカチーの様子がおかしいからアンタ見て来なさい!って言ったら渋々バカチーの所に行った。
でもまぁ、帰って来た時はバカチーも少しは元気そうになったし、私に「ありがとね、タイガー」だって。
いいのに、そんなの。友達、だし。
竜児は何したんだろ?聞いても「?別に変わった事はしてない。お前と一緒だ」…意味が分かんないけど、ま、いいか。


川嶋亜美の日記より抜粋。
9月5日。
ふふ。ほんと、今日はタイガーに感謝だなぁ。確かにちょっと疲れたから何時もの隙間に居たら高須君が「どうしたんだ?」て。
「大河に派遣された」ってぼやいてた。そう云う事は言わない方が良いと思うな。て言ってもキョトンとしてたな。
高須君はまだ二人っきりになると構えるよね?流石に私だって学校では変な事しないのに。
ちょっと疲れただけだよ。って言うと少し考えて、「ソコどけろ」って私を引っ張ったんだよねぇ。アレは一瞬ムカついたかな。
でもまさか後ろに回って抱き付かれるとは思わなかったな。いきなりだと流石に照れるでしょ?普通。
で、そのままストンって私を抱えたまま高須君は隙間に座り込んだ。ま、あれは、ちょっとね。うん。嬉しいと言うか恥かしいというか。
なんで?って聞いたら「知らんけどな。大河はこの体勢がゆっくり出来るんだと。狩野先輩もそんな事言ってたしな。嫌なら止める」
狩野先輩の名前は出さないと思うよ?普通はさ。でもいいか、きっとソレが高須君だもんね。
だから、ううん。ありがと、少しココ、借りるねって。「…おう」としか言わないけどね、充分だよ、高須君。
ほんと、今日は感謝だよ、タイガー。


高須竜児の日記より抜粋。
9月5日。
なんとも文化祭も近付いてくると慌しいな。
しかし春田の脚本が意外とウケテいるのが不思議だ。ま、面白いのかも知れんが、俺が大河の手下と言うのが気に喰わん。
去年はホラー喫茶の店長で今年は悪の手先か。来年にはTウイルスでも打ち込まれるんじゃなかろうな?
大河が夜に「そういえばあんた、バカチーに何したの?なんかバカチーすごく機嫌良くなってたけど」お前に人の機嫌を伺えるとはな。どうして俺の苦悩に気が付かないのか知りたいもんだな。
しかし今現在、「私はアンタの親分で疲れたんだから!」と言って俺の上に陣取ってポテチをバリボリ喰ってる奴の台詞とは思えんな。
同じ事をしてやっただけだ、と言ったら顔を見上げて「…?逆さま……」とはな。駄目親分め!
春田よ。少し配役を変えないか?こんなミニマムドロンジョ様に付いていっても、征服出来るものなど精々が山の手幼稚園さくら組の皆様位のものだぞ?
「なによ?ドロンジョって?」と聞くから、昔世界征服の一歩手前まで行ったオーストラリアの偉人だ。といったら満足したな。櫛枝は乗ってくれるから心配するな。


逢坂大河の日記より抜粋。
9月6日。
スーパーに買い物に行ったら奈々子に会った。
なんか独りで荷物が重そうだったから運んであげたら奈々子が家に上がってけって。
でも私はあんまり誰かの家に遊びに行った事が無い。だから少し戸惑ったけど、奈々子が「大丈夫だよ大河。ウチにはいつでも来ていいよ?大河なら」だって。
なんか、お邪魔しますって言うの、凄く…恥かしかった。
家に行ったら奈々子が折角だから夕飯一緒にって。竜児にメールして「高須君に許可は取ったよ」って別に竜児の許可は要らないのに。
竜児のご飯も美味しいけど、奈々子のご飯も美味しかった。
食べてたら奈々子のお父さんが帰ってきて、なんか私見て「おや?随分と可愛いお友達だな。おお、おじさんがお小遣いやろう。そうだ!おじさんの部屋で一緒にアニメで」ってトコまで喋って奈々子に連れてかれた??
奈々子?楽しそうに笑うけど……お父さんのご飯はいいの?


香椎奈々子の日記より抜粋。
9月6日。
大河とスーパーで会って、ホントに良かったのに。大河は一緒に荷物を持ってくれた。助かったわ、ありがとう。
夕食をって思ったんだけど「私、ヒトの家ってあんまり…行った事無いし…」大丈夫だよ大河。本当に大丈夫。
高須君にメールしたら「米3合喰うぞ?平気か?」だって。返信がずれてるね、高須君。
久しぶりに楽しい夕食だった。食べて、喋って、テレビ見て。ついでだからって、大河にお風呂入ってもらって、私が上がって来たら大河はもう寝てたね。
人様の家で、少し緊張したのかな。お風呂気持ち良さそうだったもんね。ふふふ。
高須君に連絡したら取りに行くって。ウチに泊めても良かったんだけど「夜中に起きてアイス喰いてぇとか騒ぐぞ?」待ってるね、高須君。
高須君が来たから大河を起こそうとしたんだけど、いきなり高須君が私の襟首引っ張って身体を抱き寄せるから、え?大河も居るのに?とか一瞬思ったんだけど、違ったな。
さっきまで私が居た所に、大河が拳を放ってた。どうやら無理矢理起こそうとすると殴られるらしい。なんか大河らしいな、と笑ってしまった。
思わず高須君に身体を預けて、そのまま二人で大河の寝顔を見てて、なんか私達家族みたいだね?て言ったら「こんな娘は願い下げだ」って笑ってた。
どんなコツが有るんだろ?高須君は大河をヒョイと担ぎ上げておんぶして帰ってった。
「……んにゃ?竜児??……むみゃ……」気が付いたみたいだけどまた寝ちゃったな。安心出来るんだね?大河。
なんか今日は良かったなぁ。少し温かい、良い夢が見れそう………何か忘れてる??ま、気の所為ね。


高須竜児の日記より抜粋。
9月6日。
やれやれ、ようやく帰宅だ。大河の奴も何で飯喰って風呂入っちまったら寝ちまう癖がついたのか。
香椎に迷惑も掛けられんしな。仕方なく引き取りに行ったが、どうにも香椎も不思議な事を言うな。「家族みたい」ときたな。
勘弁して欲しいものだ。こんな我が侭な子に育った娘を貰った覚えはありません。
ま、安心しろ。必ず身元引受人は見つけてやるさ。どんなことをしてもな?
それにしても…明日起きたら必ず一番に見せるとしよう。俺のシャツの背中を涎だらけにしやがって!
お前の朝食のサンドイッチにはマスタードを入れる事に先程決まりましたよ、大河さん。


逢坂大河の日記より抜粋。
9月6日。
今日は特別だ!牛よ牛!それも松阪牛!!
すっごく美味しかったね竜児。
竜児も料理のし甲斐が有るって喜んでたな。
あの生徒会長にも良いトコあるんじゃない。ま、なんか知んないけどあの女も何枚も仮面被ってそうだし?肩も凝るんでしょうよ。
毎朝一緒に登校するのもおかしな話だけど、たまには一緒に帰るのも良いんじゃない?
スーパーで買い物し易いし、安くなるし、おやつも買えるし!


狩野すみれの日記より抜粋。
9月6日。
ふふふ。逢坂大河、か。面白い奴だな。
それにしても騒がしい奴だが、少し感謝しないとな。アイツのおかげで、今日は竜児とゆっくり出来たしな。
あいも変わらずの学校と家の往復。繰り返される私の呼び名。
会長、アニキ、先輩。もう慣れたな。どれが自分に一番しっくり来るのか、もう考えるの止めて久しい。
帰りに私が皆に変わる変わる挨拶されていたら、突然逢坂が私の目の前に居た。
「……ふ〜ん」って言ってどこかに行くから目で追うと、ソコには竜児になにやら話してるアイツが居て、その内竜児を蹴ったかと思えば竜児は私のトコへ来た。ビックリしたな、お前からそんな事を言われるなんてな。
「これからスーパーかのう屋に行くんですけど、一緒にどうですか?」なんか久しぶりだな、お前から私を誘うのは。だが、その行き先が私の家とはな。ま、仕方ないか。
でも、その後でも何人かに声を掛けられて返事をしてたら、急に竜児が私の手を掴んで歩き出した。なんか言っても止まらないし。そして言たんだよな
「とっとと行くぞ、すみれ!」
なんか、嬉しかったな。だからあの肉ははおまけだ、逢坂が喜んでいたじゃないか。なによりだ。
ありがとな、竜児。


高須竜児の日記より抜粋。
9月6日。
なんか今日はかのう屋でかなりお得な買い物が出来た。超ラッキーだ。
しかし大河の奴も変な奴だ。狩野先輩を誘ってかのう屋に行くって。あそこ、先輩の家だぞ?
ま「良いから誘って来い駄犬!」て蹴り食らったしな。
でもなんか先輩って大変だよなぁって思ったな、今日は。
色んな人が声を掛けてくのに、なんか呼び方色々だ。それに先輩もいちいちそれ様の応えだ。
なんでだ?忙しいだろ?そんなの意味分かんなかった。なんで一つじゃないんだ?狩野すみれは狩野すみれで良いじゃねぇか。
ただのすみれ、でさ。
そう思ったらなんか…そうしたかった。
だが先輩…あんな場所であんな笑顔で「うん!竜児!」って絡まってくるのは止めて欲しいですな。
明日からの学校が怖いぜ、マジで。


北村祐作の日記より抜粋。
9月8日。
それにしても高須と逢坂は仲が良さそうだ。うん、なによりだ。
今日はプロレスショーの前説を誰がするかで話し合ったんだが、結局、観客に印象付ける事が出来た方が良いと云う事になってな、逢坂と高須に白羽の矢がたったんだが……なんだ?空気が重いぞ?
クラスの真ん中では逢坂が「竜児、あんたね」と言ったかと思えば「こういうのはボスの仕事だろ?」と高須も引かない。
なんだか雲行きが怪しくなってきたな。2人の背後に竜と虎が見えるのは気の所為…だよな?
「使えない手下なんだからコレぐらいやりなさい!」「使えない手下にどうか上手な手本を見せてみろ!」
うん。どうも2人共前説はやりたくないようだな。そんな時誰かが言ったんだよな。
「北村と櫛枝も一緒に出たほうがいいんじゃねぇ?北村は委員だしさ、櫛枝のトークで盛り上げるってのはど!!!」うん。急に教室の空気が暖かいモノになったな。言葉を失うのも分かるさ。
見ればもう、高須も逢坂も菩薩か釈迦かと言わんばかりの穏やかさだったな。逆に怖かったぞ?
「済まなかったな、大河。俺は心のさもしい男だったよ」なんて言ってるかと思えば、「良いのよ竜児。竜児の立場になれば誰だってそうしたわ」なんてどこか神々しい2人だったんだがなぁ…まったく。
「恨んでなんかいないわ。前説は私に任せてあんたは戻りなさい」「お前にそんなことやらせる訳には行かないだろ?ココは俺が」
競って黒板に自分の名前を書こうとしてるトコ悪いんだがな二人とも。
俺は生徒会があるからそんな暇ないし…櫛枝も多分…まぁ櫛枝の格好は有る意味ネタだからな。前説で披露するわけにも行かなくてだな、俺達は出れない……って言ってる途中で今度は2人して黒板消し取り合ってたな。
「あんた!自分がよければそれで良いの!!」「偶然だな!俺もお前にそれを聞こうと思ってたところだ!」
結局前説は2人に頼む事にした。


香椎奈々子の日記より抜粋。
9月10日。
今日の文化祭は最高だったわ。私達の完全優勝!
クラス展示は最高に盛り上がったわね〜。やっぱり亜美ちゃんと大河、それに高須君が居るってだけで注目度抜群だしね。
ま、キャスティングや台本の事も考えたら、MVPは春田君かもね。
ミスコンは逢坂さんで決まりだったし、福男は高須君!もう全部いただきって感じ!
今年度はばら色の高校生活ね〜。商品勝ち取った生徒会に感謝ね。ありがと!北村君!
それにしても……さっきもらったメール…麻耶、ホント?
だとしたら、負けないよ、麻耶!


北村祐作の日記より抜粋。
9月10日。
今日の文化祭は最高だった。俺達2Cはクラス展示もミスコンも福男も勝ち取り完全優勝だった。
今日、木原に告白された。
会長の事が好きな俺は木原を受け入れる事は出来ない。俺には断る以外に道は見えなかった。
ごめんな、木原。
「まるおに好きな人が居るって、分かってた。私じゃ無いんだって事も…だから心配しないで、まるお」そう言ってくれて、俺はどこかホッとしてしまった。
でも変なんだよ。木原。
どうしようもなく寂しそうで泣きそうなお前に俺は背を向けたのに、ただ何となく寂しそうに見えた逢坂に、俺は引き付けられた。
お前の悲しむ顔は見たくなかった。逢坂の笑顔が見たかった……どうして俺は、お前の笑顔が見たいと、あの時思えなかったんだろう。
俺には、わからないよ、木原。ごめんな。


川嶋亜美の日記より抜粋。
9月10日。
もう疲れたわね〜。ま、楽しかったから良いけど。
この学校も大概おかしい学校よね。でも楽しい。ココに来て、良かったって思う。
それにしてもショーは面白かったし、タイガーはまぁ可愛かったかな?ま、一番は亜美ちゃんだけどね〜。
高須君は必死になるとホントに怖い顔ね。最初のメイクはチョッとビビッた。去年のホラー店長が凄かったってホントね。
福男の時の形相も凄かったし。どうせ実乃梨ちゃんに良いトコ見せようとしたんでしょうけど、あれじゃあ良いトコってより恐いトコよね?
なんかライバル全員蹴落して君臨した魔王って感じだったしな。ミス大橋がタイガーじゃなかったら、もう生贄の心境だったでしょうね。
それにしてもだ。麻耶…そうくるんだ。つか、やるじゃない?
祐作も困った奴。ホント、甲斐性無いのね。おかげでこっちが大変じゃない!
良いけどね?亜美ちゃん負けないし!


木原麻耶の日記より抜粋。
9月10日。
……この文化祭はなんだか凄かった。いろんな意味でスゴかった。
私のクラスは完全優勝した…嬉しかった。
福男が高須君で決まって、全部の日程が終わって、皆が火の準備をしている時に……私はまるおに告白した。
分かってたのになぁ。
「すまん。俺には好きな人が居る、そしてそれは木原じゃない。だから、俺はお前とは付き合えない。ゴメンな、木原」
やっぱり私はまだ届いてなかった。うん。分かってたんだよね。
別に自分がまるおに特別視はされてないって事くらいはさ。でも、私はもう自分の気持ちをハッキリさせたかったんだ。
宙ぶらりんは、もう嫌だから。
心配しないでって言ったら、もう一度「すまん」って言って、まるおはみんなの所へ帰っていった。少し視界が霞んだ。
なんか皆の所へ出せる顔じゃないなぁってぼんやり考えて、道具小屋に入って、やっぱり泣いちゃった。
なんだかんだ言っても、キチンと泣ける位にはまるおの事が好きだったんだなぁって、少し嬉しかったな。
そしたらガラって音がして「木原?」って……高須君が居た。ホント、何時もタイミング悪いよね、彼は。
「どうし!お前!なに泣いてんだよ」ってビックリしてた。あぁびっくりしたのは私が抱きついたからかな?
最初は驚いてたけど、高須君はポンポンって背中たたいててくれて、なんか、また泣けてきた。
まるおにフられた事話したら驚いたよね?思わず2人でグランドに視線、まるおは逢坂さんと踊ってた。
あっ…て声出ちゃったら高須君慌ててドア閉めてくれてさ。
「気の所為だ」って。何が?だよ、高須君。良いのに、もう終わったのに。
でも嬉しかった。嬉しかったから、まるおに振られたばっかりで、君の事も好きだったなんて言える訳も無くて…でも、やっぱり私はこの人好きだって思ったら、止まれなかったな。
……あぁ、これ以上は書けないや、ってか書けるわけ無いじゃん!!あんな…事。
でも、後悔はしてない!負けないもん!亜美ちゃんにも奈々子にも狩野先輩にも!
だからメールは送っといた。言ったもんね?私にだってメは有るってさ!


高須竜児の日記より抜粋。
9月10日。
OK。大橋高校のクズ男とは俺の様だな。どうにも参ったぜ。
展示やミスコンなんか頭から吹っ飛んだな。
まぁプロレスショーは意外と盛り上がったしな。もうドコまでが台本通りでドコまでがアドリブかは検討もつかんな。
ウチのミニマムドロンジョが場外乱闘したのは間違いなくアドリブだな。つか暴走だ。人間を軽々と投げるのは止しなさいと何度言えばいいのやら。
ドクロベー様。俺の上司の交代をお願いしますよ。ホントの意味でボヤッキーだな、俺は。
それでもまぁ、何とか悪は滅び、ショーは閉幕拍手喝さいと上々の仕上がりだった。
ミスコンもあぁ順当と言うか、黙ってればお前は可愛いと言う事だ。ま、バックに納まる芸風は有る意味面白いな。エスパー伊藤の弟子になれ、お前なら彼を超えられる!うん。
「エスパー伊藤ってだれ?」櫛枝に聞けば分かるさ。多分生年月日から痣の位置まで知ってそうだ。
福男に俺がなるとは予想外だったな。やる気は無かったんだがな。
「私ゴールでテープ持ってるから。高須君!頑張ってね!!」
OKだ櫛枝。それは要するに、私の所へ一番に来てね!って事だろ?
君の持つゴールテープを俺が他の誰かに切らせる?ノンノン。有り得ないだろ?ベイビー。
久々に熱くなったな。殆んどルール無用のサバイバルレースだったが、正義は勝つ!俺が優勝した事は運命と言っても過言ではないな。どこかで「悪が勝った」なんて声が聞こえたが失敬だな君は。
そうココまではなんの問題は無かったんだよなぁ。
なんか木原が道具入れの方に一人で歩いてったのが見えたから、行ってみたら…泣いてた。
どうしてコイツは…
気が付いたら抱き付かれてたけど、なんか木原が泣いている理由を聞けば、冷たくも出来ないな。
でも驚いたな、木原の奴まで北村を好きだったのか。ふとグランドに目をやったら!!やばっ!北村の奴、大河と踊ってやがる!
無論、俺には願ったり叶ったりなシーンなんだが、振られたばかりの木原には不味いだろ、これは!
もう慌ててドア閉めたけど、木原にも見られたよな、やっぱり。なんか気まずかったもな。
だが変だ。いや変だった。なんでそこから「ありがとう高須君。いつもいつも私が泣いてる時に横に居てくれて。ほんとアリガト……だから、コレはお礼…シよ」お礼って?お前な!!てキスされたな。
俺ってこんなんばっかだな〜……って呑気に構えんなアホタレ!!
俺が脳内旅行に言ってる間にベストを脱いでボタンを外してるじゃないですか、アナタ!まさにちょ〜っとまったーー!!…て抱き付いて止めてどうすんだよ俺!
「高須君…」なんて抱きしめ返すじゃないですか。ね?違うって。
取り敢えず木原、落ち着こうぜ。ほら、別に礼なんて要らなねぇんだか「違うよ高須君、私がそうしたいんだよ。だから」
て始まっちゃいましたな。つか、始められちゃいましたな。

断じて俺は脱ぐ気は無い。が、何故だ?なぜお前は父を裏切る息子よ。父ちゃん情けなくて涙が出てくるぞ?
俺のジュニアは正直者だ。
「やだ!高須君……こんなになって拒んでも説得力な〜い」
いや、普通こうなるだろ?木原は可愛いしスタイルだって悪くない。直に見てるから間違いないってかそれもヤバイ。その上前全開のリボン残しはどうよ?そんなのにピッタリぃのちゅ〜され〜ので無気力な息子がいたらもう勘当ものだ!
いや、だからと言ってだな……木原よ。触るな!握るな!!動かそうとするな!!!
ココは出よう!と思ったんだが「今そこ空けられたら、皆に私の裸見られちゃうよぉ」イエス。マスター。
つかなんでダンスの輪がこんなに広がってきてるんだよ!だったら服を着てく……聞く気が無いな。お前も息子も。
分かるぞ。自分で言ってても変だが、お前といい、狩野先輩といい、川嶋といい、香椎といい。こう云う時のお前達の目はもうイってる。たぶん目があれば我が愚息もな。考えたくも無いが。
いいだろう木原。お前が望むと望まざると、早々に強制終了としよう。俺にはお前が川嶋や狩野先輩以上のツワモノには見えんのでな。
と、まぁ異常事態にも関わらず余裕だったんだけどな、この時は。
なんでか木原と愚息はスイッチ入っちまったしな、もうそろそろ俺の意識もヤバそうだって事ですので、木原さん失礼しま〜すって感じで胸を触ったとたんでしたね。つか直接とはいえ触っただけですよ?お客さん。
「いひゃあ!!」……まさか……
ちょっと秘密の場所的な箇所を触「いっやああ!んん!」慌てて舌ねじ込んで声を殺しましたが、マジかよ。
木原は感じる。ってか感じやす過ぎる!しかも声デカ!!あぁ、君絶叫系?って余裕で聞けたらどんなにいいか。
OK。状況を理解しよう。
ココは?グランド横の道具室。
外には?わが大橋高校のご学友が輪を作って踊ってらっしゃいます。
こちらは?とてもお見せ出来る状況では御座いません。もしくはお金の取れる状況と言っても良い。
お〜い!ドロンジョ様〜。ボヤッキーのピンチですよ〜。って僅かに隙間が開いてやがるドアから楽しげに踊るボスがいましたな。謀反だ!謀反の準備だ!
不味い。非常に不味い。
敵は弱いと言って良い。むしろ弱すぎるのだが、その状況が俺の攻撃を禁じてしまっている。
攻撃すれば間違いなく絶叫コースターIN1名様ご案内だ。かつ外の連中にばれる事は確実でもれなく絶叫コースターIN大勢様ご案内だ!
しかしこのまま無抵抗主義を貫いた所で間違いなく絶頂コースターIN俺様ご案内だ!
ちぃ!これは一体どういう冗談だ?誰かが乗らねばならんと言うのかコースター。
止むを得んからな。「!んふぅん!」と木原の口を口で塞いで、頭を逃がさぬように左手でがっしりロックだ。木原よ、そんな涙目でトロンと見ないでくれ。色々と不味いから。
この状況で口を潰しあうのは俺にとっても諸刃の剣で有る事は狩野先輩との事でも分かってはいるが、ココは声を殺す事を優先しなければなるまい。
木原の感度であれば、それほど時間も掛かるまい……いや、ホントに甘かったね、俺は。
ほんの少し触ったところでだ「!んんん!!!!」へ?もう動けなかったねぇ。
木原…なんで足で思い切り俺の右手を挟むかね?思わず口を離して聞いちゃったもんな。
いや、木原。何も無理しなくても良いから止めy「いやあ!止めな!!んんん!!!!」っぶねぇなこの絶叫娘!キスの大会か?って位だなおい。
だがどうにも成らんぞこれは!とうとう木原は両手で愚息を掴みだすわ、俺の右手は中途半端に届くから性質が悪い!左手離せば頭が逃げるわ、口を離せばサウンドONとは!
しかも半端に刺激与えちまってるからな。適度に木原も乗ってきちまった。なんか右手が滑らかに……あぁ、マジヤバイ。
もう駄目かと思った時、僅かな隙間から櫛枝の姿が……能登。後で誰と踊っていたのかゆっくりと聞かせて貰うぞ?大河特製のパイを食わせながらな!
しかしヤる気になったぜ!ココでの惨事はなんとしても避けねばならんのさ!許せ木原。
コレだけは使いたくなかったが……右手は、いけるな!
フレミングならぬ高須竜児の右手の法則!秘技!.ACV48!!
まずわ…Ana「!んッ!」よし!足の力が抜けたぁ!!
お次わ…Clitor「!!んんっっ!!」っしぃ!愚息から木原の手が離れたぁ!!
最後わ…Vagi「!!!んんんっっっ!!!」むむっ!痙攣しだしても頭だけは離さんぞ木原!
征くぞ!48の高須流家事術の1手…高須タイル磨きアースシェイカー(改)ぁぁぁぁぁぁ!!!
「!!!!ん゛ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!んぁ!……!……!…」
ふっ。所詮今日の俺は悪の手先さ。許せ木原。
殆んど白目向いてガクガクしちゃってる木原が落ち着くまで抱きしめて、朦朧として来たトコで服を着させた。ようやく立てるようになったのがまぁ20分ってトコか。
みんなの後片付けに混じってグランドに出たがな。なんかともとんでもない文化祭だったな。
あ、櫛枝とダンス……出来なかったな。


逢坂大河の日記より抜粋。
9月10日。
今日はもう最高ね!北村君とダンスよダンス!
そのあと皆で輪になって!なんかホントに楽しかった!
去年もこんなに楽しかったのかな?でもきっと去年の私はこんなに楽しくなかった筈。
ふふふ。今夜はもう眠れそうにない。
もうすぐやっちゃんが帰ってくるってメールが来た。たくさん話そう!いっぱい話そう!
なんか竜児はごろんごろん転がってる…変なの?
でも良いわ!今夜は特別許してあげる。
だってこの夜をくれたのは竜児だもんね。私にとってのMVPは間違い無く竜児だよ。ありがとね!竜児!
竜児が「北村との思い出にアップルパイでも作っちゃどうだ?俺が届けてやるよ」だって!
喜んでくれるといいなぁ、北村君。