竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

日記。徒然に。。。14



狩野すみれの日記より抜粋。
8月13日。
どうしてだろうな。最近苛立つ。
いや、分かってるんだけどな。夏休みになってからは、アイツとは店でしか会ってない。
あのチッコイ奴の笑顔が…どこかに刺さってくる。
アイツは今笑顔の中にいて、私は退屈の中に居る。この差が私を苛立たせる。
分かっているのか?……竜児。


木原麻耶の日記より抜粋。
8月14日。
亜美ちゃんからは別荘は楽しかったってメールが来た。
高須君とまるおと一緒に、かぁ。
正直、行きたかった。でも勇気が無かった。だめだなぁ私は


香椎奈々子の日記より抜粋。
8月14日。
亜美ちゃんからメールが来た。どうにもトンでもなかったらしい。
ちょっと自信無くしたって亜美ちゃんがぼやくなんて、高須君。貴方なにしたの?
もちろん詳しくは聞かないけど、どうやら亜美ちゃんは高須君と一線を超えようとして、自分だけイかされてしまったらしい。
まぁ、私も似たようなものだったし、気持ちは分かるよ亜美ちゃん。
でも高須君が亜美ちゃんの誘惑に勝ってくれたのは嬉しいかな。
ありがと、高須君。
でも亜美ちゃんが妙な事言ってた。
「高須君は今、私達以外を見てるよ。それが誰かは言えない…」だって。はっきりしなかった私も悪かったけど、やっぱり私は待ってて欲しかったな、高須君。
亜美ちゃんの言ってる事、ほんとなの?


逢坂大河の日記より抜粋。
8月14日。
今日は何処にも行かない。なんかお盆ってあんまり行くとこ無いし、何処も混んでる。
ま、私も竜児もお参りするお墓も無いし、今日と明日で課題を終わらせるって張り切った。でも今日で殆ど終わった。簡単よね、こんなの。
竜児がなんかメールを見て変な事を聞いてきた?何言ってんの??突然ヨソヨソしくなったにも関わらず必要にメールが来るのってなんでか?って。
ばかねぇ。そんなの恨んでるから嫌がらせしてんに決まってるじゃない。って教えてあげたら真っ青になって「なんでだよ」と固まったわね。
でも誰だろ?竜児にメールなんてそんなに居ないし……わかんないや。
麻耶からのメールで長野の話が出た。竜児に今度長野に行きたいって言ったら却下された。なんか長野にはあまり良い思い出が無いらしい。
きっと私の知らない竜児の思い出だ。だから今度絶対長野に行くんだ!
私の知りたくない竜児の思い出なんて、全部上書きしてやる。


高須竜児の日記より抜粋。
8月14日。
うん。確かに不味い。どうにも不可解だ。
狩野先輩の様子がおかしいを通り越して危険だ。大河によれば俺は恨みを買い先輩に嫌がらせを受けているらしい。マジか!
てかいつ買ったんだよ?そんなセールに並んだ記憶は無い!
だがまぁ、メールは来るがもの凄く簡潔な「暑いな、高須」とか「飛行機とんでたな、高須」とかそんなんばっかだ。
俺は一体何をやらかしたんだ?夕飯の買出しに行ったら先輩を見かけたが、凄いな。ツカツカとやって来て俺のカゴの中のポテチに拳を入れられた。細かいポテチが出来た事だろう。
コレはどうも余程の事と見たな。
取り敢えずその内に解決せねばならんだろう。
大河がポテチが細かいと文句を言いやがった。五月蝿いと言う前に…じゃあ完食するんじゃねぇよ!


木原麻耶の日記より抜粋。
8月15日。
今日、高須君に会った。なんでだろうディスカウントショップでお椀を大量に買ってた。
でも万引きGメンがぴったりマークしてるのは何時もの事だろう。
聞いたら大河がわんこ蕎麦をしたいとゴネてるって言ってたな。なんか大河と高須君は何時もなんかやっているね。
少し、羨ましいかな。
スドバで2人で時間潰して、なんか今日は得した気分だったな。
なんか心配事?メール開いてため息ついてたけど。聞いても「なんでもない」しか言わないし、なんか寂しいなって感じ。
でも高須君。おわん、200個は買い過ぎだと思うよ?


逢坂大河の日記より抜粋。
8月15日。
もうお腹一杯だ。これ以上は何も食べれない。
わんこ蕎麦は150杯食べたもんね!でも、最後の30杯はなんか余計だった。
竜児が言うには蓋をしないとご馳走様になんないって。
でも蓋をする前に竜児入れるじゃない?なんかズルイ。
仕方ないから実力行使で竜児を止めたら最後の1杯は火を噴いた。ビックリしたなぁ死ぬかと思った。
ま、良いわ!今日も楽しかったし、とっとと寝よう!


高須竜児の日記より抜粋。
8月15日。
おのれ大河め。精々コレでもかと喰わしてやろうかと思ったら150杯目を喰い終わった瞬間に思い切り脛を蹴りやがった。
軽くのたうっちまったぜ。
お返しに気力を振り絞って唐辛子を大量投下した奴をラストにお見舞いしてやったぜ!
2人で床をのたうち回るのはなんともマヌケな絵図らだが、まあいい。
無駄死になんかしてたまるか!


香椎奈々子の日記より抜粋。
8月16日。
今日、高須君と大河を見た。朝早くからなんとも分かりやすい格好をしていた。
何でも釣りに行くらしい。
高須君はこんな時間から行っても釣れねぇって言ってるけど、大河はやる気まんまんだ。
まぁ遊び程度は釣れるでしょう。近くの川で釣ってる人、よく見るしね。
夕方にまた2人に会ったけど、既に大河は夢の中で高須君がおんぶしてた。
なんか仲の良い兄妹に見えたな。って言ったら高須君が泣きそうな顔した。まぁまぁ。
少しは釣れたみたいだけど、大河は満足しなかったみたいね。まぁ川でマグロは釣れないと思うよ?大河。


逢坂大河の日記より抜粋。
8月16日。
気が付いたら竜児の部屋に居た。明かりが漏れてるから居間に行ったら夕食の用意をしてる最中だった。
てか時間にビックリしたわね。なんか3時位までは川に居た筈なのに…変なの?
私の釣ったマグロは!って聞いたらお前の釣ったマグロはねぇ!って竜児が言った。買って気分を盛り上げる位のことが出来ないの?使えない駄犬だ。
言ったら「そんな事言って良いのか〜」とニヤリとした。薬でもキメたの?「違う!」って一々反応するのが面白い。
出されたのは焼き魚「お前が釣った魚だぞ」だって!すごく美味しかった!
特別にやっちゃんと竜児にも食べさせた。美味しいって言ってた。まぁちっちゃかったら少ししか無かったけど、それでもすっごく美味しかったよ。


高須竜児の日記より抜粋。
8月16日。
今日は疲れた。というか最近は疲れてばかりだ。
大体いきなり釣りがしたいと騒ぎ出したのは昨日の夜中だ。なにやら大漁旗が振られまくる夢でも見たらしいが、そろそろドコかの隔離病棟へ移送した方が良さそうだな。
第一、ドコをどうしたらこんな町中を流れる川辺で100キロ級のマグロを狙おうと公言出来るんだ?お前は。
しかもそれがイソメで釣れるならココは世界屈指の魚場となる事だろう。
一度、大河の頭をぱっくり開いて見て見たいもんだ。どうせミニマム大河がわらわらとちゃぶ台囲んで飯でも喰ってるに違いない。
本来、釣りとは糸を垂らし水面に揺れる浮きを心静かに眺めながら、気長〜〜に釣果を待つモノであり、逢坂大河と云う、マグロの生まれ変わりには不可能な遊びだ。同族殺し他所でやってくれ。
午前中で早々に飽き、弁当だけはニコニコ喰って、午後はもう寝てしまうとは自由奔放にも程があるだろうが。
それでも俺より大河の方が釣った数が多いのが癪だ。ホントに癪だな。
まさかこれ程の大荷物で帰る羽目になるとはな。釣り道具にクーラーバック。それに大河か。出来るならお前を大海原へリリースしたいな。
ま、折角だからな。今晩は釣った魚でも焼いて食わせてやるさ。おかず代が浮いたと思えば今日も無駄では無かったな?釣りキチ大河よ。


北村祐作の日記より抜粋。
8月17日。
今日、逢坂と高須に会った。
これからプロレス観戦に行くとの事だった。
俺も誘われたんだが、あいにく用事が有ったからな。残念だ。
それにしても高須が会場に入って行く姿を想像すると、見に行くのか上がりに行くのか分からん所が面白いな。
だが、こう来るとはな。流石だ逢坂。スポーツニュースで流れてるぞ?場外乱闘で活躍するお前の勇士が。
俺の目が確かなら、逢坂が踏みつけてるのは高須じゃないのか?
高須…怪我に気をつけてな


逢坂大河の日記より抜粋。
8月17日。
今日はプロレスを観に行った!やっちゃんがお客さんに券を貰ったんだって。竜児と行って来たけど、途中で北村君に会えた。
一緒にどうだ?って竜児が誘ったんだけど、用事が有るからって断られた。使えない駄犬だ。
でもプロレスは面白かった、久しぶりに燃えたわ。
でも最近のレスラーは貧弱ね。あんなケリも堪えられないなんて。
でも帰るのに時間食っちゃったから夕食は簡単なものだった。
竜児がとっとと帰って来ないからよね!体育館の事務所でなにやってたのよ?


高須竜児の日記より抜粋。
8月17日。
最近のレスラーも不甲斐ない。なぜこの千載一隅のチャンスに大河に筋肉バスターの一つでもかけてくれんのだ。
ふっ。北村に断られた辺りから大河の機嫌が悪くなったからな、覚悟はしていたが、まさかマジモノのプロレスの場外乱闘に参戦するとはな。
大体、100キロは有るレスラーを何故お前は投げられる!あまり常人離れした事をしないで欲しいものだ。
お前の保護者に間違われたおかげで関係者に散々文句を言われるはスカウトはやって来るは。勘弁してくれ。
もう今日は肉体的に疲れたな。精神なんてものは既にご臨終だ……だめだ。大河を運ぶのも面倒くさい。寝よ



櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
8月18日。
今日、大河と高須君に会った。
なんか町外れで焼き物作ってる人の所に行って、一日教室行って来たんだって。
大河は大皿とか湯呑みを作ったらしいけど高須君に言わせると、アレはドンブリでしか無かったらしい。
それで?ってこっそり聞いたら、影で高須君が大河の焼き物を手直ししたそうだ。なんとか形には成るみたい。
良かった。嬉しそうだもんね、大河。
ありがとう。高須君。


逢坂大河の日記より抜粋。
8月18日。
今日、ついに陶芸家逢坂大河が誕生したのよ!
やってみると簡単だったわねぇ。まだ焼きあがるのは先みたいだけど、完成したら送ってくれるって言ってた。
竜児に今度から私のおかずとお茶はそれに入れてね、って言ったら「上手く完成してたらな」だって。
上手くいってるに決まってるじゃない!それはもうばっちりとね!!
あ〜あ。早く焼きあがらないかな〜。明日には出来てるかな?って言ったら「んな訳ねぇだろ。1週間もすれば届くから待っとけ」だって。ぶ〜〜。


高須竜児の日記より抜粋。
8月18日。
しかしまぁ次から次へと思い付くもんだ。
だがどう見ても大河の作ったものは2つのドンブリにしか見えなかったな。湯呑みと聞いたら工房の人も驚いたな。秋場所で優勝でも狙うのか?お前は。
まぁ失敗するのは目に見えてるしな。やむを得ず、大河の作ったラーメンどんぶりを大皿もどきに修正し、馬鹿でかい杯を湯呑みに修正した。
てか、既に別物だな。土が多すぎるんだよお前は。
まぁ色や模様は大河のを残したから、焼けばこうなるんだと言えば良いだろう。
それにしても、ドコまで不器用なんだ?お前は。
それはそうと狩野先輩がようやく「20日なら会う」と言ってきた。何とか2学期に間に合ったか。
さて、何があったやら。


川嶋亜美の日記より抜粋。
8月19日。
今日、図書館で高須君とタイガーを見かけた。
声は掛けれなかった。その…今はまだ高須君と面と向かって話せる自信が無い。なんか色々思い出しちゃうって言うか…駄目駄目!今夜はそんな事シないんだから!
ま、まぁ、声掛けなかったのはそれだけじゃないしね。
なんか2人でコソコソとやってたわね。てか、交代であちこちの棚から本を持って来てはまた行っての繰り返し。
最初は静かに動いてたけど、最後はドタバタ走って大声出してたけど、高須君ったら目が血走ってたから、あれじゃあ誰も注意出来ないわね。
なんかお巡りさんが来て高須君達は逃げてったけど…なにやってたの?あんた達。


逢坂大河の日記より抜粋。
8月19日。
今日は暑いから図書館に行った。でも暇なんだもん。図書館って本読むしかないじゃない?だから閃いたのよ!
竜児としりとりをした。本の題名しりとり!しかも制限時間30秒で持ってくる!
盛り上がったわ〜。私に勝ったらみのりんを夕食に招待してみせるって言ったら「その言葉に二言は無いな」だって。かなりマジだったわね。
まぁ結局勝負付く前に警官来て逃げ出したけど。面白かったから良しだ!
でもやっぱ竜児といると民間人は注意しにくいのよね。直ぐに警察呼ばれるから面白い。ばっかみたい


高須竜児の日記より抜粋。
8月19日。
おのれ国家権力め!
既に俺は「山猫は眠らない」に目を付けていたと言うのに!思い返すも苦々しい。
しかし警官も「また貴様か!」とは何事だ。それでは俺は常習犯じゃないか!
まぁ、よく考えれば、最後の方は少しばかり熱くなってたしな。俺は、どけぇ!とか言ってたし、大河は「邪魔よ!」ってケリ入れてたし。
ま、あのまま続けるよりはマシか。つか、あの図書館、もう行けないな、間違いなく。


恋ヶ窪ゆりの日記より抜粋。
8月20日。
ふっ。やっぱり実家になんか帰るんじゃなかった。
悪かったわね、独身で。独り身で。ご結婚なさってなくて。三十路で。教師で。髪長くて……
なんか変な方向になってるわね。
ふふふ……あ〜〜〜お酒呑も。


狩野すみれの日記より抜粋。
8月20日。
……私はどうなってしまったんだろう。頭の中が白い。意識が朦朧とする。
もうどうでも良い。
竜児が居ればそれで良い。
アイツの帰ったこの部屋はどこか自分の部屋の気がしない。なぁ、竜児?お前が居ないだけで、だぞ?
2学期から、私はもうアニキは辞めよう。いや、そう呼ぶのは良い。でもな。私には大事なモノがあるんだ。
そのモノの為に、これからは笑おう。
私はきっと、お前の中に居場所を作ってみせる。たとえソレが報われなくとも、私はお前を愛してゆく。そう、自分に約束したんだ。
前にお前はそれだけの価値があると言ってくれたな?でも違うぞ…私にとって全てを掛ける価値が在るのは、お前だ、竜児。
だから、覚悟しろよ?私をこんなにした、それはお前の罪だからな。


高須竜児の日記より抜粋。
8月20日。
現在、17日のAM2時。自宅にてコレを書く……てか書かなきゃ整理できん!!
コレは生還なのか?勝利なのか?なんか最近おかしくないか!!世間の高校2年生は皆これほど激動なのか?
狩野先輩に会いに行った。これは良い。なんで先輩が俺を恨んでいるのかは不明だが、このままでは色々と不味い気がした。俺だけ特売価格でレジ打ちして貰えないのは非常に悲しい。
だが、会ってから20分。先輩は一向に喋ろうともしなければ背を向けたまま動こうともしない。顔も見たくない程恨まれたか?とか思ったな。
幾ら呼んでも無視だしなぁ、って所で気がついたね。もしやと思って「すみれ」と呼んで背後に立ったら、ようやく息を吐いて何時もの様に凭れて来た。
「……遅い」とだけ文句を言われたな。まぁ仕方ない。それにしてもそんなに気を張ってたのか?休みなのに?
俺には何時も「コレは休憩だ」って言ってたしな。ごめんなさいとは謝った。
それからは何時もの雰囲気だった。まったりして、夏休みに在った事等をゆっくり話しながら。うん。普通……だったんだけどな。どこであんなスイッチになるんだ?

少し肌寒くなって来たって言うから俺は帰ろうとしたんだが、家族は誰も居ないから上がってコーヒーでも付き合えって言うからそうした。それか?まさかな。
まぁ俺は先輩の部屋に通されたが、意外と普通の部屋だったな。なんか、もっと殺風景だと思った。
「お前が私をどういう目で見ていたかよぉく分かった」って言われたな。でも、笑顔でだし、悪くは無い雰囲気だった。あぁそれでかな?
「あぁ。やっぱり、良いな。こういうのは」って先輩が呟いて、?、って思ってたらポツポツと話し出したのは自分の事だった。
如何に自分が退屈だったか。俺とどういう風に違う時間を過ごしたか。先輩には、あまり楽しくは無かった夏休みだったというのは伝わってきたな、うん。寂しかったと。
まぁ、やっぱり先輩も女の子だしな。小さくなって座ってるから、後ろから抱えてやったな。なんか大河が好きだしなこの体勢。アイツの場合は俺に無断でだが。
先輩も身体を預けて来たからな。まぁこの程度でリラックス出来るなら精々椅子代わりに使ってくれればいい。と思った俺を殴り飛ばしたい。お前は櫛枝教破門だ破門!
先輩が「そうさ…私は随分と寂しい思いをしたぞ?竜児。だから」ふと首を上げて俺の顔を見上げた時に悟ったね。あの目は獣だ。一瞬初めて会った時の我が家の猛獣を思い出したな。
やばい!と思って即座に立ち上がってドアに駆け出し、た筈なんだが、それはもう見事に俺は宙を舞ってベットの上に。??投げられたの?
もう一回逃げようとしたんだが天上がくるって回って…ぼすんってベット?WHY?
なるほど…アレが合気道ね。うん。すげぇやアニキ。ってのん気にしてる間に馬乗りになられていましたね、俺。
「だからその分、埋め合わせをしてくれ…竜児」ちょっと待って貰えませんか。って言葉が何処まで言えたのかは分からんな。途中で口が塞がれたのは確かだ。
てーか、俺も先輩もジャージだしなんか脱ぎやす…じゃない!脱がされやすくて先輩は俺の口と動きを制しながら服を脱ぐという高等技術を披露してくれてな、もう2分と待たずに裸同士です、はい。
いや。今思っても……俺、犯されそうじゃん!しかも俺がなんとか抜け出そうとすると何でかどんどん先輩の都合の良い様な体勢になって行くし、無理に出ようとすると関節極まるし。
流石の俺も一瞬……いいや、やっちゃえ。って思いましたともハイ。
助かったよ櫛枝。
瞬間おまえの笑顔が脳裏に浮かんだな。まるで救いのクモの糸だ。
こう見えてもわたくし高須竜児。初めては心に決めた櫛枝実乃梨と!と日々祈願している所であります!
狩野先輩が寂しさ余って淫らに咲き誇ろうとする気持ちは分からなくも無いが、受け入れる事は出来ない!だろ?櫛枝!
分かってるさ。香椎も黙って帰してくれた。川嶋に至っては俺は勝利を収めた。自称魅姫さんに関して言えば俺は不戦勝だ。
ふっ。3戦全勝のDOUTEI竜児を舐めるなよすみれ!ってホントに舐められてるが……くっ!しかし今度の敵は強敵だ!何しろ力で叶わない。俺も合気道習っとくんだった。
だが落ち着け。今回は正々堂々と勝負を挑まれているわけだ。ならば!ここはハムラビ法典曰く!目には目を歯に歯を、攻めには攻めを、だ!!
川嶋、お前に感謝だぜ!ようは狩野先輩をお前と同じ状態に持っていけば俺は無事に帰還できる!経験者は語るだ!
俺はすぐさま行動を起し、まぁ、その、なんだ……狩野先輩の身体を川嶋のように洗ったとゆうか、触ったとゆうか。だ。
「やるじゃ!みゃぁか!!」や「きょのみゃ!ろひぃ!」なんてまた変なBGMが掛かりだしたが、脳内ではメタリカ変換で熱唱ヨロシクだ!
ちょっと変換が追いつかない時は口を口で塞いだが、コレは逆に俺も危ない事に気付いたな。
しかし流石は狩野先輩は役者が違うのか、もしくは俺如きの歯の立つ相手では無いのか。まぁ確かに歯は立てないでと言うから立て無か…その歯じゃないな!

よく考えたら、俺は今まで攻守交替は有っても、攻防一体は未経験だったな。それに先輩は今まで俺的男女不可侵条約に守られていた我が領土内のご子息に思い切り侵攻してくるではないか!
不味い!何とか手を押さえたいが、こちらの攻め手を弱めれば一気に持っていかれてしまう!自慢の凶眼で睨み付けても、なんか潤んだ瞳の蛇眼に負けてしまう。
かと言って攻め手の激しさを増してみても、向こうも激しさを増すでは出口が見えない。いや、出口は有るが、それは櫛枝への決別を意味する。
何となくココまで来てしまっている以上手遅れの感も否めないが…弱気になるな!俺!
「いきゅぞ!りゅうひ」と先輩がいった瞬間目の前から霞の様に消えた先輩はなんとご子息をお口に収納してしまった。つか一気に不味い!なにかが込み上げてしまった!!
思わずぐぅおおおお!と自分の頭を抑えたが既に時間の問題か。もやが掛かる意識の中で櫛枝が俺に別れを告げている。あぁ……ここま…で…!!
居たね、神様!つか、コレは賭けだ!俺はジャージだったから財布はウエストポーチに入れてココまで来た。かすかにソコにあるのが分かる。
なんか凄い事になってしまっている我が息子よ!頑張れ!「んちゅぱ」なんて音は聞くな!あれは「ジャンプ!」といってるヴァンヘイレンだ!
必死に手を伸ばし指をツル思いでポーチをゲット……有ったぁぁ!!!!
貴女の淫暴もココまでです狩野すみれ!
最後の気力を振り絞り彼女の身体をベットの上に寝かせ覆い被さる事に成功した!油断したな有段者!上手い!
「な、なに?竜児?」なんてらしくない可愛い言葉はもう聞こえないってか暇が無い。こうしてても何で貴女の左では出来過ぎ君なんだ!ならば俺も遠慮はしない!
コレだけはホントの意味で使いたくなかったが……もはや俺のターン!!
ウエストポーチより我が愛機『高須棒』を召喚!攻撃魔法、ヴ××ナに挿入を選択!「ぅきゃあああ!!!ひゃに!!」こんな効果音は無視だ!
更に特殊魔法発動!48の高須流家事術が一手、高須カビ殺しバスター(改)を発動!「なひぃ!ひゃめろ、このや、やああああ!!」ええい!浮き上がるが如きブリッジが何だ!
更に!プライドを生贄に左手コンボ召喚!畑のお肉、お豆の皮剥き料理法をピーーーーに発動!!「嘘!!だ……!!!!!!!!!!ひぃぃぃ……ぁ」大丈夫。全部拭き取って帰ります!
ふっ……ターンエンドだ。
取り敢えず、普通に呼吸が出来るまで3分間。意識がハッキリするまで8分間。俺は狩野すみれを抱きしめていたが、櫛枝よ。貞操は守ったぞ。多分。

8月21日。
今日から新学期なのだが、朝、大河と家を出ると??狩野先輩がソコに居た。
「行くぞ?竜児」と来た。
もう大河も目が丸くなってたな。まぁ俺もだが。
先輩?なんで?というと睨まれた「竜児?もう一度言ってくれないか?」うん。了解だ。
迎えに来てくれたんですか?すみれ。なんとも「うん!」とは可愛いじゃないですか。
どうもこれからは一緒に登校する積りらしい。俺の友人達とも一緒に休日などを過ごしたいそうだ。
はぁ。やばい2学期が始まりそうだ。
どうなってんだよ、コレ。