竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

日記。徒然に。。。13


逢坂大河の日記より抜粋。
7月22日。
今年の夏休みは楽しい事がたくさんありそうだ!
竜児がバイトをするって言ってたけど止めさせた。だって折角の夏休みなのにそれじゃあ遊べないじゃない!
竜児はブツブツ言ってたけど良いのよ!
今日は取り敢えず街をぶらぶらした。
明日は夏祭りに行くって、やっちゃんが言ってた。
竜児は古いやっちゃんの着物を使って私の浴衣を作るって言うの。そんなモノ買っても良いんだけどさ、仕方ないから着てやるわ。
明後日は何しよう。毎日が日曜日。
こんなに楽しい夏休みは初めてだ!寝るのが勿体無い。ほんと、一日が48時間位あれば良いのにって思う。
海、楽しみだねぇ、みのりん。


木原麻耶の日記より抜粋。
7月23日。
今夜の祭りにまるおを誘った。でも部活が終わったら部活の皆と行く事になってるって。
まぁ仕方ないんだけどさ。
奈々子と二人でって思ったけど、そうすると結構煩いのよね、ナンパとか。ホントうざい。
ガードに高須君でもって思ったんだけど、大河とお母さんと一緒に行くみたい。
「一緒に行こうぜ?」ってメールはくれるんだけど、凄い楽しみにしてる大河のメールが先に来てた。やっぱ行けないよねぇ。
なんか私、宙ぶらりんだなぁ。こんなんじゃ、きっと何やっても楽しくないんだ。そう、今日気が付いた。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
7月26日。
明日からまた3DAYSのバイトだぜぃ!なんかバイトと部活の毎日だ。
ま、最後には何とか海に行けるしね。それまで一気に頑張ろう。
大河は毎日楽しそう。今日は水族館から写メが来てたな。
ホント、楽しそうだね、大河。
去年は私もバイトと部活で忙しかったし、なかなか遊べなかったから、ずっと独りだったもんね。
だから、ありがとう。高須君。本当にありがとう。


香椎奈々子の日記より抜粋。
7月30日。
はぁ。そろそろお父さんも帰ってこないと、お盆にはお爺ちゃんの家に行かないといけないのに。ほんと、困ったお父さんねぇ。
ま、今日のメールでは九州でお芋も手に入れたみたいだし。そろそろ帰ってくるでしょう。
でも高須君に会えないのは寂しいかな。
ホントは夏休みにもうちょっと押そうと思ったんだけど、あんなに大河に楽しそうにされちゃうとね。
亜美ちゃんとの海の前に会っておきたかったけど、まぁしょうがないわよね。
でも麻耶は心配だなぁ。偶にあっても元気ないし。
どこかで決着を付けなきゃ、どんどん辛くなっちゃうよ?麻耶。
私はそれが心配だよ。ほんと、心配なんだよ。

8月1日。
明後日、皆で花火でもしながらそうめんでも食べないか?と高須君からメールが来た。
他は仕事とか部活とかバイトで来れないから、高須君と大河、私と麻耶と能登君と春田君とでって事。
能登君と春田君が居るのはこの際目を瞑ろう。もちろん了解よ。麻耶も喜んでだって。
なんか大河が流し素麺をしてみたいらしい。ふふ、何を見たのかしらね。
でも良いわね。流す役と一番下で待つ役の2名が既に私の中では決まったから。居てよかったわ、貴方達。
高須君には素麺は私が用意するって言っておいた。


香椎奈々子(父)の日記より抜粋。
8月1日。
ついに全て揃えたぞ!奈々子。これで帰れると思ってら奈々子からメールが来た。
「三輪そうめんを買って直ぐに帰ってきて。明日中。奈々子」…これから奈良県か。
奈々子。この秋田で買ったきりたんぽも味わってくれると父さんは嬉しい。


川嶋亜美の日記より抜粋。
8月2日。
もうクタクタ。ちょっと最近仕事つめ過ぎ。
でもまぁ仕方ないか。少し最近サボってたしなぁ。
ま、なんとかなるでしょ!ここでやっとかないと海所でないしね。
ココまでしてるんだもん。別荘では覚悟しといてよね?高須君。
それにしても妙にママが学校の事聞きたがるのが変よね?いつもは気にしないのに…なんで?


高須竜児の日記より抜粋。
8月3日。
うん。今日はなんか久々に高校生らしい夏休みだったな。
能登や春田や香椎、木原と皆で花火やって流しそうめんしてな。能登と春田は喰う暇も無かったろうが、ま、楽しそうだったしな。良しとしてくれ。
それにしてもコレでまだ半分とはな。大河の元気はどっから出てるのか不思議でならん。
大体なんでこの俺が、休みの間中あちこちドコソコと大河に振り回されにゃならんのだ。まったく、世の不条理ココに極まれりだ。
だが外出し、外で飯を食うとすると、かなりの高確率でジョニーズに行くしな。学校以外の場所で櫛枝に会えると言うのであれば、この強制コブ付き夏休みもそうそう悪いモノじゃない。
しかしまぁ、水族館に遊園地、動物園に夏祭り、花火大会にハイキングその他諸々エトセトラエトセトラ等などウンヌン。よく分からんな。
なんかしらんがコイツは何年分の夏休みを堪能する気なんだか。飽きもせずに次から次へと動き出す。
まぁ、楽しいかどうかと言われれば楽しいのだが、それ以上に疲れるのは勘弁願いたいんだが。
ドコで聞きつけたのか「竜児!流しそうめんやろう!」と来たのは2日前だ。予定では櫛枝も来るはずだったから気合を入れたんだがな。予定は未定か。
どうせなら俺の涙も流して欲しいぜ。
騒ぐだけ騒いで喰うだけ喰って……そのまま寝やがる。お前は一体何歳児だ!なんか幼児退行してないか?コイツ。
香椎さんは「きっと大河は嬉しいんだよ。今まで無かったものが一気に手に入って、自分でもどうしたいか分かんないんだよ」と言ってたな。
ったく。まぁいいさ。今の内に精々暴れとけ大河。川嶋の別荘で、もういい加減にケリを付け様じゃないか北村。
折角の機会だ。お前と腹を割って話して、お前の気持ちを聞かせて貰おう。
心配するな北村よ。大河さんを僕に下さいと言ってくれるだけで良い。お前の言葉を遮る勢いで分かったと言ってやる。
しっかり者のお前の元にいけたなら、櫛枝も安心して俺との青春をエンジョイ出来ると言うものだ。うんうん。
あぁ、海が楽しみだ。


恋ヶ窪ゆりの日記より抜粋。
8月8日。
………あ〜〜〜あ。おかしぃわねぇ〜?どうして世界は滅亡しないのかしら?きっとアレ?人口比率が89%くらい三十路になればいいんじゃない?
あっちもこっちも皆三十路。
あは?今日3人も足踏んじゃった。ふふワザとじゃないの〜〜。明日も朝から電車のろ〜〜。ヒールって痛いよね、踏まれると危ないから避けてよね〜。
いいよね〜。皆若くてさ〜。ふふふふ、17?もうすぐよぉ30なんて。ウカウカしてたら光の速さでやってくるのよ。
そしてら毎年毎年大きい写真が実家に並べられて家柄を仕事柄の柄祭りようふふふふふ。
あれ?もしかしてヤンデレ……来た?


高須竜児の日記より抜粋。
8月11日。
なんとも川嶋の別荘は凄いな、おい。
デッキからそのままビーチに出れるしなんだよコノ広さ。俺んちそのまま3個っ位入いんじゃねぇか!
まぁ今日はそれでも疲れたよな。駅に着けば北村と櫛枝は奇妙な動きで俺たちを出迎えてくれるし、まぁ俺ばかり恥ずかしいのも癪だからな、川嶋にも味わってもらったが。
しかし暫く使用されていなかった別荘と云うのは、なんて対戦し甲斐の有る存在なんだ。流石に俺一人では一日掛かったかも知れんな。みんなに感謝だ。
遊んで飯食って、まぁ穏やかな一日とはこの事だな。夏休みにどっかの子虎に受けた疲労が抜け落ちていくようだ。全ては君の存在ゆえだよ櫛枝。
川嶋には風呂場でからかわれたのが何とも口惜しいけどな。だがこの別荘の主で有るならば許そう。
だが櫛枝よ。さっきのお前の話はよく分からん。
折角2人っきりのチャンスが来たから、彼氏とか居ないのか?と聞いてみれば、幽霊の話になった。WHY?なにか間違ったか?俺。
よくは分からんがお前は幽霊が見えなくて、それでも信じてるけど見えるとも思えない、とかなんとか……見たいのか?幽霊。
あまり良い趣味とも思えんが人それぞれだしな。櫛枝が見たいと言うのであれば止むを得まい。今度心霊スポットにデートに誘うか。調べとこう。
北村とも話をしたが、もうコイツは確信に変わったな。
折りを見て2人になったがな、まさかお前が正直に言うとも思えなかったがな。
お前今好きな人居るだろ?とカマを掛けたら驚いてたな。でも何時ものお前に直ぐ戻って「…やっぱ分かるか」だとさ。親友だしな、分かるさ。
好きだと言ったか?と聞けば、まだだと言う。ナイスだ!まだチャンスはあるぞ大河!
だがソコで疑問が浮かんだな。昔想ってた櫛枝。この前まで良い感じだった香椎。そして…なぁ、北村。どんな人なんだ?
「う〜ん……大人、だな。俺なんかより、ずっと……だからいつか俺はあの人に認められる男に成って、正面から告白したい」
木原の言葉を信じなかった訳では無いが。北村よ。教師と生徒では些か不味いのは常識人のお前には分かると思うんだがな。
まぁ、タオルぶら下げてキッチンに来るお前の常識の程はしらんが。
でもなぁ、お前はそう言うが向こうはどうなんだ?いや、例え向こうにその気が有ったって、やはり立ち…
そうなんだよなぁ。あそこで話を切らさなきゃもっと突っ込めたのに、狩野先輩からメールがきやがった。あの人、着信設定で仁義無き戦いの効果音なんて設定するから煩いんだよな。
メールに意識が言ってる間に「俺もう寝るわ」って逃げられちまった。まったく間が悪い。で、メールの内容なんて「今、何してる?」…別に派手なデコメで聞く事か?
てか本気で一時間毎にメールせんといかんのか?子供か!アンタは!と言いたいな…言えないが。
川嶋はなんか知らんが部屋から出てこんし、もう今日は寝よう。2泊3日の日程だ。まだまだチャンスは幾らでもある!待っててくれよな、櫛枝!
で?枕が変わると眠れないと騒いだ貴様が何故ココに居る?大河。俺はお前の枕になった覚えはないぞ?
起して叩き出そうとしたら殴られた。誰だこのグレムリンに夜中に餌を与えたのは!!
取り敢えずもうどうでも良い。寝よう。櫛枝よりも先に起きてこのロングヘアーのグレムリンを部屋に戻しておけば誤解もされまい。


逢坂大河の日記より抜粋。
8月11日。
今日はバカチーの別荘に泊まりに来てる。北村君とずっと一緒で凄く嬉しい、けどなんか緊張しちゃうな。
みのりんも楽しそうだし、竜児の夕飯も美味しかったし、今日は楽しかった。
北村君が「なぁ逢坂。今、楽しいか?」って聞いてきたからビックリした。どうして分かるんだろう。
でもまぁ、竜児は前世で私の犬だったから、私の世話をするのが生きがいなのよ!って言ったら笑ってくれた。「そうか」って。
でも何だろう?北村君の顔を見てるとなんか思い出しそうなんだけど……キッチンでバカチーと竜児と…みのりんが来て……なんか忘れてる様な気がするんだけど、気のせいかな?
でも困ったな。枕が変わると眠れない。枕も持ってくれば良かった……おお!有るじゃない。私の枕。
だから今日はこれでお終いっと!さ、寝てこようっと!


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
8月11日。
あーみんの別荘は凄いね〜。ちょっと感動もんだよコレは。
でも楽しい。ほんと、来て良かったよ。ありがと、あーみん。
つくづく大河は楽しそうだね。釣れられて私も楽しくなる。
でも北村君。服は着よう。いやぁ、私も弟居るしそれなりに大丈夫なんだけど、流石に同級生のはちょっと違うっていうか、なんというか、ね。
それに高須君も、話キチンと聞いてくれて嬉しかったよ。
私は自分を出すのが下手だからさ、なんか何時も上手く人とは付き合えないけど、高須君はちゃんと最後まで聞いてくれて、私は嬉しかったよ。
いつかは見れる日が来るって言ってくれて、思わず、え?とか思っちゃたけど。そうだよね、いつかは、ね。
でもまだ先で良い。私は自分の夢に真っ直ぐ行きたい。それが私だもん!
だから、いまは見えなくても良い。良いんだよ、私は。


川嶋亜美の日記より抜粋
8月11日。
いよいよ来たわね。
ちょっとお昼はお風呂場でからかっちゃったけど、高須君、やっぱり面白い顔になった。
皆は怖いって言う顔が、私には可愛く見えるから不思議だ。でも、それだけじゃない。優しくも見える。
今日はまず様子見。で、なんか色々見えたな。
もしかしたら高須君は……実乃梨ちゃんを見てるのかも知れない。私でも奈々子でも麻耶でも無く。
それが何時からかは分からないわね。まぁこの前のレクリエーションの時の好みには当てはまらないから、ここ最近の事なんだろうな。
実乃梨ちゃんにそれとなく聞いてみたけど
「夏休み中?いやぁ、私はバイトと部活ばっかりだから、大河や高須君とは今日が初だよ!あっ、バイト先ではよく食べに来てくれるから会うけどさ」
う〜〜ん…よく分かんないか。ま、いいけど。実乃梨ちゃんは今は誰かと付き合う気は無いみたいだし。そんなに良いのかな?ソフトボール。
私も今日は動かない。明日、私は色々動こうと思う……思ってるよ、奈々子。
どうなるかは分からない。でも、後悔だけはしないよ。それだけはしたくない。
だから今日はもう寝よう。明日も早いから。
お休み、高須君。


北村祐作の日記より抜粋。
8月11日。
それにしても高須も突然だよな。俺の好きな人を聞いてくるなんて。
自分の憤りを隠さない逢坂が好きだった。そしてそれが終わって、俺は会長に拾われた。
俺には会長は眩しかった。でも並んで、少しづつ並んで歩けるようになって、おれは好きになっていったんだと思う。
いまはまだ俺は自分に自信が持てない。あそこで名前を出せれば、少しは変われたんだろうか。
逢坂を受け止めるお前は強いな、高須。
お前の強さを、俺にも分けて欲しい…少しでいいから。


香椎奈々子(父)の日記より抜粋。
8月12日。
とうとう携帯を帰してもらえた記念の日だ!三輪そうめんの功績により、高須竜児への対応は執行猶予処分となった。ありがとう奈々子!
今度からは見つからない様に捨ててくれるぞ高須竜児め!!
さてさて、とメールなんかを確認した時は愕然としたね。もう魅姫ちゃん、メアドも携帯も変わってた。さようなら、俺の恋。
取り敢えず今日はもう寝よう。明日は会社で飲み会だと奈々子には言ってある。アリバイ作りは完璧さ!
「ごめんごめん、携帯落しちゃって今日復活だぜ!取り敢えず明日どっか飯でも喰って同伴しない?ご無沙汰のお詫びにボトルも入れちゃうからさ〜。良い返事待ってるよ〜。魅羅乃ちゃ〜ん」
とメールしたら直ぐに返信が来た「ありがとでやんす〜。あしたメールするね〜。楽しみにしてるよ〜。カッシィ(^^)v」今夜も良い夢見れそうだ。

高須竜児の日記より抜粋。
8月12日。
え〜……これは刑法に引っかかるのか?つか……もう死んで良いか?俺。
不味い、意識が飛びそうだ。限りなく暗黒面に引かれていくぞ俺のフォースは。
そもそも……なにが?、いや、祖………落ち着こう。
まずは今日何が有ったのか。うん。いや、普通だったな。昨日と同じだ。うん。
朝、速攻で眠ったままの大河の奴を大河の部屋のベットに投げつけ、何事も無かった様に朝食を作り、寝起きの櫛枝から「おはょおぉ」なんて可愛らしい挨拶を受けた。すでにココで死んでも良いな。
海で遊んで飯喰って、昼寝して遊んで飯喰って、肝試しして花火して。なんか最高に満喫してるじゃん。これって。
そうだよね。人生楽ありゃ苦もあるのさね。
今日は流石に大河も疲れたんだろう。それはもう早々に夢の世界へ旅立ったのさ。いっそそのままならドンだけ良かったか。
俺はまぁ独りになれたんで、ちょっと遅めだったけど部屋のシャワー浴びて、ゆっくりしてから寝ようと思った。まぁ普通だろう?
だがだ!なんでソコに川嶋が入って来るんだよ!「あっ!ごめん!」なんて慌てるから思わず初日の意趣返し!…その時の俺を殴りたい。
アイツの手を掴んで、川嶋って結構大胆なんだな?なんて、まぁアイツと交わした会話の逆をなぞってやった訳だ。
そん時にはこっそりタオルを腰に巻いたしな。したいか?……風呂でもあ!!!
洗うかって言って笑ってやろうとカーテン開けたら……裸の美女がそこに居た。てか、なんで裸なんだ川嶋ぁ!!
そりゃもう慌てて後ろ向きましたよ。見たものは無かった。アレは浮世絵だ。ただの写真集だ!
俺がもう、スマン!とか、なんで!とか、訳の分からん事を言ってたら、川嶋はもっと訳の分からん事を言ってきやがった。
「いいよ。二人でお風呂で洗いっこ……しよっか」と浴槽に入ってきてカーテン閉めやがったんだなコレが。OK裁判長。弁護士を呼んでくれ。
冗談も!程ほどにって言う前にだ、アイツがもうぴったりと抱きついて来てというか、絡まってきてというかだ。その、柔らかいんだか、なんかポチっと2つあるんだか、ザラっとなにか生えてるんだか……
激しく待ってくれ川嶋!俺はそんな積もりは!って言ったんだよな〜。もう聞いてくれないとは思ってたんだよ。うん。
「亜美ちゃんわかんな〜い。でも亜美ちゃんはやりたいからやるだけ〜。高須君言ったよね?本当の私を好きなるって。私はね、自分に正直なの。高須君が嫌でも私がいいならそれで良いの、だから…洗うよ、高須君」
もうそれは一つのプレイではないでしょうか。川嶋嬢は全身にボディーソープを塗ったくって、ご自分のお体で私高須竜児の体を洗ってきましたとさ。
もう、俺は硬直状態というか、息子は興奮状態というか。
第一川嶋もそんなに息苦しい感じになってしまうなら止めてしまえば良いものを、つか息が掛かる、声がエロい!お前はどこのプロフェッショナルだ!
アレは不味かった。マジで不味かった。川嶋の小指の爪の先程の羞恥心なのだろう。辛うじて我が高須ジュニアへの直接攻撃が成されていなかった事が僅かな救いだった。
我が想い人たる櫛枝と一つ屋根の下に有って、同級生の女子とソーププレイの挙句、ジュニアより1億数千万の我が分身を野に放ってしまったとあってはもはや死んで詫びるしか有るまい。

だが神は俺に2つの希望を残してくれた。ソッチに行ったらなんか奢ってやるからな!
1つはジュニアが無傷な事。そしてもう1つが、川嶋が自分に付けたボディーソープが取れて来た事だ。
「はぁ…はぁ…まっ…ててね…今、ま、た…ぬるか…ら」ととろとろと俺の前方の容器に向かった時、俺の身体は自由を得たな。まさに勝機!!
するりと交わしてそのまま川嶋に背後から密着。コレでその両手は使えまい!「ぇふぇ?」と惚けた声など聞く耳もたん!そのままアイツが触る寸前のボディーソープを掠め取り
面倒だ。キャップを外して、そのまま川嶋に全部かけてやった。「なに?たか」これで武器もあるまい!!ソロモンよ!私は帰ってきた!!て気分だ!
洗ってもらってばかりでなんだからな。今度はこっちの番だ!
もう決めた。こうなったらこの死亡遊戯を終わらせる手段はタダ一つ。全てのボディーソープを使い切り、もう洗う場所など無いって程綺麗にしちまえば入浴タイム終了だ!そういう風に風呂は出来ている!!
掃除のプロを舐めるなよ川嶋!ようは割れやすい皿や高価な花瓶を手洗いすると思え、思い込め高須竜児ってなもんだ。
滑らすように、撫でるように、細かな所は執拗に!小さな突起は壊しちゃならんぞ優しくだ!
なにやら「いひゃ」とか「ああ!」とか「そんな、そこらめ!!」とかは有線の故障だラジオの混線だ!そう思え!!
もう、おうりゃあああ!!てなもんでスパートかけると「!ひぃぃ!っぃいっくぅぅぅ!!!」といった瞬間…なんか俺の中指がどっかに入っちゃってな……「!!んきゃ!……」って川嶋が崩れた。
取り敢えず…俺の危機は去ったとみて良いな。なんかピクピク痙攣してる川嶋には悪いが、取り敢えず俺は生還した。ジュニアも静まれ、どうどう。
それにしてもやばかった。櫛枝の存在が無かったら間違いなく、なんか大事なもんを即行しちまうトコだったぜ。
川嶋もそのままでは風邪をひくからな。タオルで手早く拭いてガウンを着せたのだが「もっ…て…て」と部屋まで持ってってくれという。
歩けないのか?困った奴だ。
素早く川嶋の部屋に川嶋を運びいれ布団にねかせ、素早く部屋を出た所までは良かった。
神様も人が悪い。なんで…廊下に櫛枝が出てるんだ?
よ、よう。って言ったんだがな。「…」って回れ右したな。待ってくれって言おうとしたら、櫛枝の前のドアが開いて「なんの騒ぎだ?」って北村が…裸で出てきやがった。
「……」櫛枝は倒れたな。可哀相に。だが悲劇は続く。「ぅるさいなぁ。なによ一体」と北村のドアが開いたな。もう結果が見えるようだったよ。
「おお、起したか。すまんな、逢坂」と振り向く北村の裸と目が合った大河は「ひ!!……」と倒れたな。
もういいからお前は部屋に戻れ!といって下がらせた。まったくあの世紀末覇者裸王め!
櫛枝と大河をそれぞれのベットに運び、一つ屋根の下に存在する全ての女子が意識混濁に陥る中、自分の部屋のベットで俺は気付いたね。
………おれも裸だったな。
もう俺は終わった…櫛枝に見られてしまうとは…なぁ川嶋よ。ここらで自殺のメッカの断崖絶壁でもあったら教えてくれないか?
駄目だ。意識が遠くなる。こんやは…最悪のよ


8月13日。
奇跡が起きた!
櫛枝も大河も昨日の夜の記憶が無いようだ。余程のショックを受けると人は記憶が飛ぶというが本当だな。
だが、北村はともかく俺の裸も櫛枝のショックの原因かと思うと胸が痛む。
だがまぁ思い出さないほうが良いだろう。誤解とはいえ、泊まりで来た別荘で裸の同級生の男子生徒2人に深夜廊下で挟み撃ちに合う等、悪夢の記憶でしかない。
大河は北村のを見たショックだろう。不本意にもアイツは何度も俺の裸は見てるからな、家で。むろん偶然だが。
いやはや、今こうして自宅でコレを書ける事がこれ程嬉しかった事は無いな。
だが、まぁ覚えていた者も居るらしくてな。
「昨日は高須君にやられちゃったね…でも今度は…亜美ちゃん負けないからね?高須くん?」だとさ。
今度ってなんだよ?勘弁して欲しい……なんでお前は喜んでるんだ!息子よ!!
ん?狩野先輩からメール……「楽しかったか。高須」……なんか怒らせるような事したか?俺。


川嶋亜美の日記より抜粋
8月13日。
昨日はやばかった。てか既に事切れた?高須君やばくね?どうして手だけでああされちゃうの?
折角、計画通り事が運んだのに、まさか相当にやってるとか?……でもなぁもっとしてって言ったのに、私の部屋に連れてかれて寝かされて終わりだったし。
もう少し、あそこで引き止めれれば…無理か。声も腰も抜けてたし。でも……今思い出してもよかったなぁ。
あれは不味いよね?ちょっと……おかしくなりそう。
どうしよう奈々子。ちょっと相手が悪いかもよ?