竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

日記。徒然に。。。12

木原麻耶の日記より抜粋。
6月15日。
今日亜美ちゃんと自販機の前で偶然会った。てか、なんであんなトコに挟まってるのかな?
亜美ちゃんに聞きたかったのは本気で夏休みに高須君と別荘に泊り掛けで行くのか?って事。
「もちろん本気だよ。それがどう言う事かも分かってる」亜美ちゃんは強いなぁ。私には怖くてそんなこと出来ない。
良かったら2人も来る?って聞かれたけど、奈々子は分からないけど、私は行かないって言った。
だってソコは亜美ちゃんの勝負の場所だもん。邪魔はしないって決めた。それに、ね。
亜美ちゃんにも言った。私は高須君も好きだけどまるおも好きだって。だからこんな気持ちの内は、私は線は越えない。越えるなんて出来ない。
亜美ちゃんは特に責めなかったな。でも「じゃあ遠慮はしないよ?麻耶」って。
仕方ないよ……でも亜美ちゃん。高須君はそんなに簡単にはいかないよ。きっとさ


高須竜児の日記より抜粋。
6月18日。
凄い事になってきた。なんと、夏休みには泊り掛けで櫛枝と行動する事に!大河よ。お前に餌を与え続けて良かったと心から思うぞ。
まぁ、一体なんの経緯でプール対決になったのかは今ひとつ理解に苦しむが、まぁそれはどうでも良い事だ。
海の見える別荘で過ごすひと夏のアバンチュール。あぁ、そんな状況で若い男女が一緒に寝起きすれば、それはもう、何か起こる事は必然といって良い。
それにしても最近は随分と忙しいな。学校で、家で、休日も、何かと俺の周りに人が居る。
別に鬱陶しいとまで言う積もりは毛頭無いが、まったく一人の時間がないと言うのも如何なものか。
それに第一、コレでは大河を北村にくっ付ける事も、俺が櫛枝ときっかけを掴む事も出来ないじゃないか。
せめて昼飯時の呼び出しだけでも何とかならんもんかな。まか、面と向かって言うのもなぁ。先輩だって疲れてるんだろうけど、意味がわからん。
そんな監視する様な事をしないでも、台風が怖いなんて秘密は喋らないんだけどな。


香椎奈々子の日記より抜粋。
6月20日。
なんか今日は一日中身体がだるい。
風邪気味かなぁ。はやく寝よっと。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
6月22日。
今日の試合は完敗だった。点差以上に欠けてる物があると実感する。
彼女達は真剣だ。もちろん私達だって。でも違うんだ、きっと。
それが分かるようになりたい。その先に、私は行きたい。
やっぱり夢は遠いよ。恋愛なんて、してる場合じゃない!
今日、私はソレを再確認できた。


川嶋亜美の日記より抜粋。
6月25日。
期末も終わったし、いよいよ来月は夏休みよね。
高須君は楽しみにしてくれてるの?私はドキドキしてるよ。ホントに、ドキドキしてる。
素の私がソコにはいるよ。好きになるのは本当の私だって言ってくれたよね?でも、本当の私に会ったら、好きになるの?好きになった…後は?
貴方が何処まで考えてるのか、それが知りたい。近頃私は、そう思う。


狩野すみれの日記より抜粋。
6月28日。
やはり噂は本当だったか。竜児に確認すると「?はい。夏休みに川嶋の別荘に、大河と北村と櫛枝の5人で。それがどうかしましたか?」
べつにそれがどうした、と言うのでは無く、ソコでどうにかなるのか?と言う事が問題なんだがな。
別に行くのは良いさ。級友と過ごすそんな夏休みも良い思い出だろう。だが、メールは忘れるなよ?そうだな、10分置きだ。「それはいくらなんでも」押し問答の末、1時間毎にオマケした。
今日の私が寛大で良かったな、竜児。ま、見返りも要求したがな。
いつもは背中から抱かせるんだがな。今日は正面から抱きしめさせた。
まぁ気持ち良かったぞ、竜児。ただアイツの、必ず一度目は「先輩」と呼ぶのはどうにか成らんものかな。私が睨まないと「すみれ」と呼ばないとは、奥手に過ぎるな。あんなにキスをしておいて。
とは言ってもアレ以来してないが……まさかそれが不満なのか?だがしかし校内で、その、そういうのはチョッと不味いぞ竜児。
まぁ、毎日の様に私がお前の胸を借りてまどろむのもどうかとは思うが、私はアレが好きだしな…確かに妙な気分にもなるが、幾らなんでも…不味いだろ?竜児。


木原麻耶の日記より抜粋。
7月1日。
今日、奈々子が学校を休んだ。
最近ずっと調子が悪いとは言っていたけど「大丈夫だから」って言ってたのに、いよいよ高熱でダウンしたみたい。
心配だったけど大丈夫だからお見舞いとかは来なくて良いって。
奈々子の家はお父さんと二人だし、きっと奈々子が倒れたら家事とか全部停まっちゃうんだと思う。そんな家を見せたくないって気持ちも分かるかな。
だいぶ熱も下がったし、明日か明後日には学校にも来れそうだって。お大事にね。奈々子。
………高須君が今日お見舞いに来てくれたみたい……奈々子。そのメールを先にしなさい。心配の文面消すから。


逢坂大河の日記より抜粋。
7月1日。
今日、竜児が奈々子の所にお見舞いに行って来た。
やっぱり家は凄い散らかっていたみたい。でもばっちり元通りに片付けたって笑ってる。
きっと前より綺麗になってるんじゃないかな。
でもおかげで今日はウチの夕食が作れてないみたい。
まぁ文句は言ってやったけど、奈々子のお見舞いじゃ仕方ないもんね。さっきも奈々子からゴメンねってメール来てたし。彼女に免じて許してやるわ。
でも竜児の様子が変ね?あんた奈々子になんかしたんじゃ無いでしょうね?って言ったら全力で否定した。
ま、そんな度胸も無いか。
でもそんなんじゃ何時まで経ってもみのりんと上手く行かないわよ?て言ったら「お蔭様でな」って笑ってた。変な竜児。


高須泰子の日記より抜粋。
7月1日。
今日は竜ちゃんがお夕飯作れなかったらぁ、仕方ないから、やっちゃんはお客さんと食べてからお店に行ったんだ〜。
竜ちゃんと大河ちゃんは二人でファミレスに行ったんだって。
良いよね〜ファミレス。今度は3人でいこうね〜、ファミリーレストラン。


高須竜児の日記より抜粋。
7月1日。
俺って奴はもう駄目人間コンテストに出て2位以下をブッチギリで優勝出来る程の事をしてしまったな。
いや、でも俺にだって良い分はあるぞ。いや良い訳か。
香椎さんが病気と聞いたから心配でメールしたんだが、見舞いには来なくて良いという。家の中が散らかってるから、と。
もう涙が出たな。お互い家事の一切を取り仕切る者同士。自分が動けないだけでドンドン散らかっていく不思議現象の恐ろしさは経験者にしか分かるまい。分かるまい?お前に言っているんだぞ大河。
そんな心の友であり家事の同志を放って置く事など出来様筈も無い。俺は香椎さんの制止は敢えて無視して、必要なモノを買い込み香椎さんの家に行って来たんだ。行動として、間違った事は無かった筈だ。
電話したら何とか鍵は開けてくれたが、かなり顔色は悪かったな香椎さんは。それでも最初よりは良くなったらしい。計ればまだ38度も有る。全然平気じゃない。
取り敢えず香椎さんをベットまで運んで寝かせたが……可愛いへ……いや。そんな事はどうでも良い。
まぁ、予想通りと言うか、予想を上回ると言うか、香椎家の惨状は素晴らしいものだった。逢坂家のファーストコンタクトとは比べ物にもならんがな。
それでも中々に手強い汚れもあり、俺が充分に戦い尽くせるだけの事はあった。無論、完膚無き迄に叩き伏せたがな。
おそらく香椎が倒れる前の状況には家中を元に戻し、簡単な病人用の食事をこしらえて香椎に食わせた。まぁ、その、ア〜ン位はしてやったが、やましい事はしてないぞ。ココまでは。
それから俺は洗濯をして、親父さんの服やら下着やらを洗い、当然許可を2度3度に渡って取ってから、香椎の服や下着を洗った
…サイズは泰子と…いや、どうでも良いな。コレはただの洗い物だ!
思えば洗い物などしなければこんな事にはならなかったのか。
ついでだからな。汗もかいたんだ、今着てるパジャマと下着も着替えて渡してくれと頼んだ。まぁ暫く考えていたが「分かったわ」と言ってくれたから俺が部屋を出て待ってると「いいよ」って
…………聞き間違いなのか?真っ裸の香椎がベットに横たわっていた。
すまん!!って速攻出たね。忘れよう。今見たモノの全てを忘れよう。そう念じていると「もう良いよ」と来た。
既に土下座する心の準備は出来ていたさ。ドアを開けるとソコには、真っ裸の香椎がベッ…もう書いた!てゆうか何も変わってねぇしなにも良くねぇ!
目は瞑った。信じてくれ櫛枝。今俺の記憶と網膜に焼き付いてるのは、ミロだヴィーナスだミケランジェロだ!
何やってんだよ!良いから早く汗拭いて着替えろ!俺は外で待ってるからな!って出ようとしたんだがな。
なんともまぁ「なんかダルくて力が入らないの。私は良いから高須君…拭いて……おねがい」

ウイルスが脳にでも回ったのか香椎!
あの時の俺の体温は間違いなく40度は超えてたな。おまけに「早くぅ…寒いよ、高須君…」当たり前だ。汗を拭け!下着を着けろ!パジャマを着ろ!布団を掛けろ!捲くし立ててみたが無音だったな。
OKだ。もうOKだ。香椎が熱にうなされている事は確かの様だ。こう見えてもこの高須竜児。女の裸は見慣れてる。もっとも、とても母には見えない母の裸体と小学生にしか見えない大河の裸ではあるがな。
それに、自称、魅姫なるとても顔見知りな筈の誰かさんからは、真っ裸で抱きつかれ大人なキスをされても生還した男だ!
そんな経験豊富なDOUTEI君など世界広しと言えど、俺以外にはあと4人位しか居ないだろう。
それからの俺はまさに神速だったと今でも感心する。
大判バスタオルを握り締め振り返り目を開いた瞬間から、香椎の全身をくまなく拭き、生地の材質から構造までを熟知した下着類を素早く装着させた。
パジャマを着させて布団を掛け、脱いだ衣類を抱えて部屋を飛び出すまで、およそ1分と掛かっていまい。
その約1分間。
なにやら柔らかかったりザラザラしたりチヂれていたりとチョッと変わった拭き取り掃除だと自分に言い聞かせ、
「ひゃう」とか「ひあ!」と言う変わったシャウトのロックバンドの演奏を聞いてると言い聞かせ、熱で息が荒く、風邪でぐったりしてる筈の香椎を寝かせる事に成功した。
俺がそんな戦いを征し、洗濯を終わらせ、香椎と香椎の親父さんの夕食を準備したところで、親父さんが帰ってきた。
まぁ俺の様な凶眼と目が合えば仕方有るまい。初めて会ったしな。反応は一緒だ。
あやうく父の留守中に娘を狙った連続強姦魔にされそうになった俺は香椎家を早々に退散する事になったのさ。
最後に挨拶を出来なかったのが心残りではあるが、まぁ顔も合わせ難いしな、丁度良かったのかもしれ??メールが来た。どうやら明日は学校に来れるそうだ。良かった。


香椎奈々子の日記より抜粋。
7月1日。
はぁ……風邪って………最高。
もう、明日からどうやって高須君に会ったら良いのか分かんない。
私はもう駄目だ。とろけそうな位に彼を好きになってしまった。ほんと、コレはない。
目を覚ましたらもう夜だった。身体は本当に調子が良くなってた。コレも彼のおかげね。
一言お礼を言いたかったけど……あの時の私は無理ね、殆んど意識飛んでたし……
ほんのちょっと、悪戯のつもりだったのになぁ。もちろん、それなりに覚悟はしてたし、その、万一そうなっても良いかな、って位には覚悟してたんだけど。
高須君たら行き成り振り向いたら、タオルで私の身体…全部拭いて、その、隅々までって言うか、私しか触れない様な、場所まで拭いちゃったって言うかなんていうか。
下着と付ける時も彼の手があちこち当たっちゃうっし、その、声とか出ちゃうしそれも恥ずかしいし…何となく「オッシャー!終わりー!!」ってけたたましく部屋を出て行ったのはぼんやりと覚えてるんだけど、なんか色々と身体が動け無くなっちゃたな。
高須君ゴメンね。折角綺麗にしてくれた下着とかだけど、もう3回位着替えちゃったかな…なんか、思い出すと、ね。
でもホントビックリしたわ。部屋から出たらなんか別の家みたい。凄く綺麗になってた、家中が。
高須君が凄い家事が上手だって大河が言ってたの、また実感したわ。もうピカピカじゃない。その、お風呂場は恥ずかしいかな。排水溝……すごく綺麗だね。
でもねぇ高須君?ホントにすっごく面白い事があったのよ?台所に行ったらとても美味しそうなおかずとかサラダとかお味噌汁が捨てられててね?
どうしたの?これ。ってすっっっごぉぉぉく優しく聞いたらね?
「どうしたもこうしたも!あのチンピラが勝手に上がりこんでたから叩き出してやったさ!飯でも作ってお前を騙してAV女優にでもしようと思ってるに違いない!あんな奴は社会的に抹殺してやるから、お前は安しぃひぃぃぃぃぃきゃぱけみょにゃにゃきょきょーー」
あぁぁ。もう、お父さんったらぁ。どぉしてこんなに可愛いのかしら?私ったらなんか、井戸から這い上がってテレビから抜け出た人の気持ちが分かるみたい。
取り合えずお父さん?押入れから出てきてくれませんかぁ?カリカリカリカリって私さっきから押入れ引っかいてますよぉ?
おとぉぉさん。はやくぅぅぅぅ。あ、け、て?
なんで「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏………」なんて繰り返してるのかしら?変な人ねぇ。でもねぇお父さん。
一生懸命襖を抑えてるみたいですけどぉぉぉ……それだと反対側がすぐに開いちゃうのよ?
………くすっ……居・た。


川嶋亜美の日記より抜粋。
7月4日。
昨日、奈々子から来たメールにはビックリした。てか、奈々子って……怖い人?
添付動画には、裸の奈々子をバスタオルで拭いて下着とパジャマを着せて部屋を飛び出してく高須君が映ってた。
なんかお見舞いに行ってたのは知ってたけど、こんなのは聞いてない。てか言えないよね、コレは。
どう見ても…奈々子ってば感じちゃってるし、それに高須君ってば全身拭きすぎ。ソコをそんな優しく拭かれたらヤバイって普通に!
でもコレは嫌がらせじゃない。ちゃんと文面も有るメール。意志が有るメールだ。
「亜美ちゃんの別荘には私は行かないよ。私は私で勝負してるから。麻耶には多分ココまでの覚悟は無い。だからこのメールは送ってない。
亜美ちゃんは?泊まりで別荘。この意味は、こういう事だと思うし、覚悟が無いなら止めた方が良いよ?きっと後悔する。
私は後悔してないよ。逆にもっと高須君を好きになった。だからコレは忠告よ。友人としての。ライバルとしては宣告。私はココに居る。頑張ってね、亜美ちゃん」
………上等じゃない奈々子。良いよ。奈々子って意外と分かりやすい、気が合う。
当然、その覚悟はあるよ、奈々子。そして、貴女に負けない覚悟もね?
だから高須君?精々覚悟しといてね。本音の亜美ちゃんって結構性格悪いの、知ってるでしょ?
楽しみだなぁ、夏休み。


櫛枝実乃梨の日記より抜粋。
7月10日。
終業式の日、終わったら映画に行こうと高須君に誘われたんだけど、ホント奇遇だったよね。
実は私も映画に誘おうって思ってたから。
大河ってこのバットマンシリーズ大好きだもんね。丁度3枚タダ券貰ったし、3人でどうよ?って聞いたら「はいはいはいはい!行きたい!」だって。
でも高須君は?って聞いた。だって高須君も2枚なんかチケット持ってたし、って思ったら大河がそのチケット破っちゃった。
竜児も行くから!って。相変わらずだね大河は。
でも良いんだよね?そんな事しても、高須君は大河の傍から居なくは成らないんだよね。
ほんと。大河の居場所が有って、嬉しいよ?大河。
大河には意味が通じちゃったかな。いつもより大袈裟に抱き付いて来たけど、「うん」って小声でいったの聞こえたもんね。
ほんと、ありがとう。高須君。


高須竜児の日記より抜粋。
7月10日。
いやはやどうしたもんかな。櫛枝の事を想い、顔の右半分がニヤけるのだが、大河の事を思い左半分が苦渋に歪むのはどう云う顔筋なんだ?俺は阿修羅男爵か?
じゃん!と言って俺の前に話題のラブロマンスの劇場招待券を俺に見せ。「みのりん誘って行って来なさいよ」といった、可愛い大河ちゃんは何処に召されてしまったのか。
まさかその天使の歌声の様な発言をしたのと同じ口が、「竜児も行くから!」と言ってくれるのは良い。が、何故30分もしない内に、ラブロマンスがカンフーアクションの映画に変わってしまうのだ。しかも3人だと?
やはりお前にパスを要求するのは間違いだと認識した。
せっかく解凍しておいた肉だが、駄目になるのを覚悟で、もう一度冷凍してやる!今日はイカと竹の子の天ぷらで我慢してもらおう。
試しに、ラブロマンスは何処に行ったのかな?と聞くと「はぁ?なにそれ。アンタ、暑さで頭バカになるのは早いわよ」だとさ。OK、竹の子をごぼうに変更だ。
せめてそのカンフーアクションが面白い事をひたすら祈る。てか、櫛枝と映画に行けるならホラー映画でだって爆笑出来るくらいのウキウキ度さ!
なぁ大河。手製のヌンチャククッションでインコちゃんの檻を叩くのを止めなさい。作るんじゃなかったな。


香椎奈々子(父)の日記より抜粋。
7月21日。
風の噂で、大橋高校の1学期が今日終わったと聞いたよ、奈々子。
父さんは今北海道でコレを書いている。
はなばたけ牧場の生キャラメルはゲットしたよ奈々子。次は……沖縄のミミガー、か。暑そうだな、沖縄は。
このリストのモノを全て集めるまで帰宅は禁止って、もう少し範囲を考えて欲しいな、奈々子。
有給が足りるか、父さんは心配だよ。