竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

日記。徒然に。。。10

川嶋亜美の日記より抜粋。
5月19日。
Tと……K、かぁ。
やっぱり、彼の想いの先には私が居るのかなって思う。
髪は……うん。やっぱり長いよね、私。
性格は……素の私は善いとは言えない。でも高須君は好きになるのはホントの私だって言ってくれたよね。
家事は……正直自信無い。でもそれでも良いって言うんだよね。
私は自分の気持ちが分からない。確かに他の人とは違う。違う目で私を見てくれたし、私も違う目で彼を見てる。
だから……確かめたい。自分の気持ちも、彼の気持ちも。


木原麻耶の日記より抜粋。
5月19日。
T……K。だよね。
やっぱ高須君の想いは変わらないんだと実感した。
髪は……長いもんね、私。
性格は……皆には明るいって、でも高須君は弱くて泣き虫って思ってて。でもいつも微笑って撫でてくれる。
家事は……どう考えても高須君には敵わないや。でも許してくれるんだ。
私は、まるおが好き…でも高須君も、好きだ。どっちもなんて駄目に決まってるのにどっちをなんて決められない。
だから……二人じゃない、私自身の気持ちに、私はまず向き合おう。


狩野すみれの日記より抜粋。
5月19日。
Tに、Kか。
そろそろはっきりさせる必要があるのかな、私も。
髪は……ふむ。偶然にも長いな。
性格は……自分ではそれ程変わってないと思うぞ?ま、周りから見れば少しはな?
家事は……私もそれ位はこなせるさ。お前が出来過ぎなだけだ。
私だって考えない訳じゃない。でもお前は年下で、会長と云う立場だってある。でも、コレは逃げだな。
だから……私は確かめようと思う。お前と、私自身に、な。


恋ヶ窪ゆりの日記より抜粋。
5月19日。
Tに、Kね。
でもそんな事って許されるの?
髪は……ま、まぁ短くは無いのよね、私。
性格は……ちょっと鬱々してる時だって有るけど、これはもう現代病よ、現代病。
家事は……こう見えても出来るんだから!チョットだけ高須君の料理には勝てないけど。
でも私と高須君は教師と教え子。そんな事許されるわけ無いじゃない。
だから……高須君は想いを言えないの?私は……どうしよう。


香椎奈々子の日記より抜粋。
5月19日。
TとK……
ずっと待たせて、嫉妬して。資格なんてあるの?私に。
髪は……長いよねぇ。ショートにはした事無い。
性格は……確かにちょっと黒いトコ有るかも知れないけど、気付いてたんだ。
家事は……私に料理を教えられる男子なんて高須君しか居ないよ。
麻耶と決めた。いつか貴方に相応しい人間になろうって。決めたばかり。
だから……私は貴方に相応しいのか、私は聞きたいよ、高須君。


逢坂大河の日記より抜粋。
5月20日。
今度の日曜に展望公園にピクニックに行くって決まった!
やっちゃんが家族でピクニックに行きたいって言って決まった。家族…だって。
レクレーションの頃から竜児は私の事、大河って呼ぶようになった。生意気よね!犬の癖に。でも特別に許す事にしてる。特別だけど。
みのりんもバイトで少し遅れるけど来れるって言ったら竜児は凄く喜んでた。早く来れるといいね、みのりん!
バカチーも誘って麻耶も奈々子も誘った。奈々子が串料理をたくさん持って来てくれるって言ってた。
今は皆、私の事「大河」って呼ぶんだ。だから私も。みのりんとバカチーは違う……なんか、違う風に呼びたいんだ。だからみのりんはみのりんで、バカチーはバカチー。
みのりんを誘ったから竜児は私の好きなおかずを沢山詰めてくれるって言ってた!肉ど〜ん!だ!
竜児は北村君を誘ってくれた。
この前の作戦が上手く行ってるといいな。でもいいんだ!私は少しづつ北村君に近付いていく。
竜児はなんとしても上手く行かせてやる!って張り切ってるけど、うん。ゆっくりで良いよ、竜児。
だって、今私はこんなに幸せだから。


高須竜児の日記より抜粋。
5月20日。
今度の日曜に展望公園にピクニックに行くと決まったらしい。
泰子が家族でピクニックに行きたいとダダをこねて決まった。無用なイベントは極力遠慮したいんだがな。
当初より大河の奴は俺の事を駄犬だの犬だのと呼んでいた。まぁ櫛枝の親友が望むなら犬とでも虫とでも呼ばせてやろう。せめて俺は大河と呼び捨ててやる。
櫛枝もバイトが終わり次第、参加すると言ってくれた。でかした大河!明日の朝食は目玉焼きをベーコンエッグにしてやろう。早く来い来い櫛枝!
他にも川嶋や木原、香椎も呼んだらしい。香椎は串料理を持ってきてくれるらしい。たすかるぞ、香椎。
親睦レクからこっち、何時までも仰々しいと言う事で「さん」付けは止めされられた。今では違和感も無くなったな。まぁ川嶋は初めから呼捨てだったが櫛枝さんを櫛枝と呼べるようになるとは…感激だ。
しかし櫛枝を誘った功績は素直に認めてやろう。当日にはお前の好きなモノを詰め込んでやろう。肉でも肉でも肉でも肉でも。
俺は北村を誘ってやった。
レクの作戦をココでも後押しして置かねばならない。鉄は熱い内に打て!
大河よ。なんとしてもお前達二人を上手くいかせてやろう。香椎すら犠牲にしたのだ。後は征くのみだ、櫛枝。
待っててくれ。もうすぐ俺達の幸せが来るから。


櫛枝美乃梨の日記より抜粋。
5月20日。
大河と高須君が今度の日曜に展望公園でピクニックをやるらしい。
泰子さんが家族でピクニックに行きたいって言い出して決まったみたい。良かったね、大河。それが家族だよ。
親睦レクリエーションから二人は、大河、竜児って呼び合う様になった。なんか二人の絆、深まったみたい。
私はバイトで頭からは無理だけど、終わったら行こうと思う。大河の嬉しそうな顔、見たいもんね。出来るだけ急ぐよ、大河。
他にも、あーみんとは木原さんや香椎さんも来るって。香椎さんもなんか作って来てくれるみたいだし、レクリエーションの再現だね!
皆が大河の事を「大河」って呼ぶ様になった。もうお客さんじゃないんだね、大河。あーみんとは何時もやり合ってるけど、凄く楽しそうだよ?本当に嬉しいんだ、私は。
高須君がなんでも好きなモノ入れてくれるって喜んでたな。どうせお肉ばっかりなんだろうけど。
あぁ、北村君もくるみたい。高須君も男子独りじゃ寂しいもんね。
こんなに早く大河が皆に溶け込めるとは思わなかった。これも高須君のおかげかな。
大河が笑って生きていける。それが私には幸せに思えるよ、大河。



高須泰子の日記より抜粋。
5月21日。
明日は待ちに待ったピクニックだね〜。大河ちゃん?
大河ちゃんは明日みんなにおにぎり作るんだって張り切ってた。今日竜ちゃんに教わったんだって。誰か食べさせたい人でも居るのかな〜?
明日は早いからって早くに寝たみたい。でもきっと起きれないんだよね。大丈夫だよ、竜ちゃんはちゃんと起してくれるから。
初めて会ったときから、大河ちゃんはどんどんどんどん可愛くなってくよ。明るくなってくよ。
やっちゃんはそれが一番嬉しいでがんす。
明日はきっと良い天気だよ。だから目一杯、楽しんで来ようね、大河ちゃん。
でも竜ちゃん……なんでこんなにお椀とか出てるのかやっちゃん分かんないんだけど??


逢坂大河の日記より抜粋。
5月21日。
明日はピクニックだ!わくわくして眠れそうにない。でも寝なきゃ!明日は北村君におにぎり食べて貰うんだから!
最初は玉子焼きとか野菜炒めとか作ろうとしてたんだけど……なんか上手く行かなかった。
竜児が帰ってきた時にはもうぐちゃぐちゃで、私はなんか泣いちゃったな。
そしたら竜児がおにぎりならって教えてくれた。
馬鹿にしないでよね!おにぎりくらい簡単よ!でも作り方を聞くだけは聞いてあげた。すごく簡単だ。
これなら私でも作れるね!
試しに1つ作って竜児に食べさせた。全部食べて「わかった。お前でも作れる様に朝セッティングしておくから、今日は早めに寝ろ」だって。
生意気よ、竜児の癖に。
でも楽しみ。美味しいって言ってくれるかな、北村君。みのりんにもやっちゃんにも食べさせたい。
バカチー達にも。みんなに食べてもらって、美味しいって言ってくれたら、私は凄く嬉しいんだろうなぁ。
ふふ。早く寝よう。起きれる自信は無いけど、平気よ。竜児は絶対起してくれるから。
おやすみ。竜児。


北村祐作の日記より抜粋。
5月21日。
ピクニックか。何年ぶりだろうな、そんなイベントは。
まぁ悪くないさ。だが逢坂も1年の時とは別人みたいだな。最近はよく笑ってるし面白い顔もするようになった。
逢坂と高須の出会いは運命の様だと思う。
俺にはどうする事も出来なかった逢坂を救えた高須を、俺は尊敬する。
アイツの親友で、俺は良かったな。
香椎も何か作ってくれるそうだし、無論高須も作ってくる。
親睦レクリエーションの再来だな。あの時の絶品料理を再び味わえるのは光栄だな。
さっきメールしたらどうやら逢坂も何か作るらしいな。
なんだか楽しみだな、明日は。


高須竜児の日記より抜粋。
5月21日。
まったく前日でこの有様では、明日の本番はどうなるんだ?俺は今から胃が痛い。
俺が帰宅してみると台所はとんでもない事になっていた。片付けるのに2時間掛かるとは、流石だな大河。
聞けば明日のピクニックに、逢坂も何か作って持って行きたいようだ。折角俺が北村との仲を何とかしようとしているのに、何故その様な危険行為に走ろうとするんだお前は。
その結果があの有様と言う訳だ。
どうすれば野菜炒めが液状化するのか、玉子焼きのどの工程で七味唐辛子を入れようとしたのか、不思議は一杯で聞けば飽きる事は無いのだろうが、如何せん聞きたくないものは聞かない主義なんでな。そっとしておいた。
ええい!その上いじけて泣き出されては俺が悪者ではないか。第一、俺が逢坂を泣かせたみたいで、こんな姿を櫛枝に見られた日には俺の好感度など外れた馬券の如く細切れに破られて捨てられる事だろう。
やむを得ず俺は大河を宥めすかし、アイツにでも出来るものを教える事にした。
おにぎり……米と塩と海苔と梅干。
たとえ5つ星レストランすら1日で潰す事も出来るだろう大河シェフであろうとも、流石にコレだけの食材とこれ程簡素な工程であるならば前人未到な味を生み出すことは叶うまい。香椎や俺の喰いもんとの相性も良いだろうしな。
「こんなもの簡単よ」などとおにぎりを握りだした大河をみてほっとしたな。
もちろん。御約束を避ける手立ては万全さ。梅干は1つしか出してないし、塩だってきっかり1つ分しか渡してない。海苔にしてもそうだ。
ココまですれば、異常にしょっぱいやら何でこんなに梅がやら海苔だらけじゃ無いか、なんて事態も起こりよう筈も無い。
いつまでもお前の思い通りになると思うなよ?大河。
…………甘かったな。あの時の俺は。
「できたわ!竜児!」と言って居間の俺を呼ぶ大河の元に言ってみると、その手には確かにおにぎりが1つ在った。
見た目は問題ない。うん、俺の予想通りだな。ここまでは。
「食べてみて!」と言われて渡されたおにぎりに俺は寒気を覚えたね。なんともズシリときやがる。
そこで俺は悪夢を見た……今思い出しても寒いな。アレは。
俺が見たのは空の炊飯ジャーだった……たしかまだ2合は有った筈なんだがな?
ソコに有った米はどうした?と聞けば「だからおにぎりにしたに決まってんじゃない」と来たな。了解だ大河さん。
櫛枝よ。この粗悪品はとっととお茶の水博士にでも返品しないか?ロボット3原則を喰う・寝る・遊ぶと誤認してる不良品だぞ。
確かに米だけは迂闊にも放置状態だったな。だがまさか2合の米でおにぎり1つを完成させるとはな。道理で重い訳だ。
俺は生まれて初めておにぎりを「食べる」ではなく「かじる」事になったな。既に米かどうかの判断が付かん。
口の中でガリガリと音を立てていた物が、超人ハルクの如き大河に押し潰された米なのか、はたまたその米に押し潰された梅干の種なのか、俺には分からん。
いつもは出される梅の種も、よもや白米の手によって圧壊・粉砕されようとは思わなかった事だろうな。いつか桃源郷に辿り着いたら真っ先に梅の精に謝罪しよう。
取り敢えず大河はとっとと寝かせ、俺はおにぎりの数分のおわんを用意して寝るとしよう。どうやら明日は戦争だ。
次は負けんぞ大河!!