竹宮ゆゆこ総合スレ SS補間庫
   

 

 Lovers

ある春の夜この少年。高須竜児は鋭い三白眼をギラリと光らせ、目の前で頬を桜色に染めて自分を見つめている少女を舐める様に見ていた。
『この野郎俺様にメンチを切るたぁ上等じゃねぇか。あぁん?やんのか?』
とか考えている訳では無い。
ただ目の前の少女櫛枝実乃梨に見惚れているだけなのだ。
彼と櫛枝実乃梨は恋人同士である。
下の名前で呼び合い、指を絡ませて手を繋ぎ、口付けし、何度となく身体を重ねた仲なのだ。
学園祭が済んでから付き合い始めて、そこまで至るのに半年以上。
今では彼女のバイトと部活に影響が無い日を見計らって、自宅に誘うまでに進展していた。
ただ……仲睦まじい関係でも、一つ悩み事があった。
それは……………
.
「ねぇりゅーじくんは、さ。私の事好き?」
俺に対面して座っている実乃梨が俯き、そう問う。
「おうっ。俺は実乃梨の事が大好きだ」
俺は彼女の顔を見て答える。
これは、この半年間、何度と無く行われたやり取りだ。
「んふふ〜☆いやぁ何度言われても嬉しいもんだぜぇ」
真っ赤な頬を両手でグイッと押さえて破顔する実乃梨を見て、俺も思わず口元が弛んでしまう。


「じゃあ実乃梨は俺の事好き、か?」
俺は同様の質問を彼女に返してみる。
「あたぼうよう!不肖櫛枝実乃梨はりゅーじきゅんにベッタベタのベタ惚れっす!大好きっ」
ああ良いもんだな。こうして恋人と想いを確認し合うってのはさ。
『大好き』
太陽の様に眩しい実乃梨が笑顔で紡いでくれた一言に、自然と顔が熱くなっていく。
「おお〜っ照れてる、照れてる。初のう〜初やつじゃ」
時代劇に出て来る悪徳商人を彷彿させる口調で呟きながら、彼女が四つん這いで俺の方にジリジリと近寄る。
「ねっ、りゅーじくんの膝の上に座っても良い?」
「おおう
返事を返す間も無く、実乃梨が俺の膝の上に横向きに乗って両手を首の後ろに回す。
俺は左手で背中を、右手を膝裏に添えて支える。
いわゆる『御姫様抱っこ』だ。
「ふふっ、チュウしよっ
泰子、時に大河も交えて夕飯を済ました後は、居間で過ごす事が多い。
だが泰子が仕事に行き、大河が帰ると彼女は自室に俺と入り、自ら積極的にスキンシップを行うのだ。
最初の時は俺から回数を重ねて、徐々に実乃梨の方から誘ってくる様になった。
実は、俺の前では実乃梨は半端無い甘えん坊になってしまう。


人前では出さない、甘ったるい声で俺の身体に触れたがる。
そんな彼女の、隠された一面を独占出来る俺は世界一の幸せ者だよな。
俺は舌なめずりをし、実乃梨の可愛らしいプルプルな唇に顔を近付ける。
「んぅ〜っむ。んっ。くちゅ
重ねた唇が甘噛みされ、舌先で舐められる。戯れる子犬の様に嬉しそうな顔で

甘酸っぱい実乃梨の味が俺の口内で弾け、暖かい舌が口内に侵入してきた。
「はむ。くちゅ。ちゅっ!ちゅっぱ」
彼女は、何事も常に100%…
本気の全開なのだ。
徐々に高めるのでは無く、初っ端から歯茎や上顎をねっとりとねぶり回す。
それも俺の頭を腕で引き寄せて、動けない様に固定してさ。
「んっ!ふぁ。ちゅっ!ちゅっ!んう?んふちゅるっ」
実乃梨の顔を薄目を開けて見ていたら、目が合ってしまった。
クスッと笑って、実乃梨が俺の舌に唾液を絡ませて、微かに顔を横向きにずらす。
「ちゅくっちゅっ!ふっ。んうぅ」
唇の重なる位置が変わり、口内の奥へと侵入した舌が、俺を絡め取ろうと小刻みに動く。
ここで俺は攻勢に打って出た。
「んんっ!んっ!ちゅっぷ!くっちゅ!ちゅっ!?んあっ!」


俺を絡め取ろうとする舌を彼女の口内に押し返して、自分の舌を唾液と共に侵入させる。
と、同時に背中の腕を滑らせて、ふくよかな胸を手の平に収める。
「ちゅくちゅっ、ん。ふぅう。んっ!」
先程のお返しとばかりに、プニプニと柔らかい実乃梨の口内で舌を絡めつつ、五指を制服のブラウス越しに食い込ませる。
制服と下着二枚の薄布を通して尚、柔らかさと熱を伝える胸。
そんな可愛いマシュマロを手の平で捉え、優しく揉みほぐす。
「んっ。んっむ。あ、ちゅっ!」
小さな舌で懸命に俺を感じようとしている実乃梨が愛しい。
そして、甘さが混じり始めた声を聞いて、もっと啼かせたくなる。
「はっあ、りゅーじきゅぅんくすぐったい、よ。ひゃっ」
唇の次は耳だ。
実乃梨は、ここが弱いんだよ。
耳元にゆっくり吐息を吹き掛け、フッ!と少しだけ強めにしてやると、実乃梨の身体がピクンと微かに震える。
その震えは耳だけでは無く、もう一つの行為も原因だ。
ブラウスのボタンを二つ三つと器用に外し、薄桃色の下着の隙間から胸に指を滑り込ませる。
「ひゃあぁあ……。よ、弱い所ばっかりイジメちゃ駄目だようぅ」


柔らかい胸に人差し指を埋めながら、彼女の『弱い場所』を探る。
「くふぅっ!ふあっ!」
あった。うおもうコリッコリ
そうだよ。乳首だ。
早くも硬くなって自己主張をする乳首を、人差し指で転がしながら、耳たぶを犬歯で甘噛みする。
「っっあ。あん。ひうっ!」
シャンプーの香りが漂う実乃梨の髪に顔を埋めて匂いを嗅ぎ、耳を舌先で舐める。
そして、指で乳首を摘んで揉みほぐす。優しく優しく
「ふあっ、あ。あっん………、やあぁあ」
目がトロンと蕩けて、俺に抱き付く力を強める実乃梨は、何度見ても堪らない。
甘えた声で悦びの声を洩らし、白い健康的な太股をモジモジと擦り合わせているんだよ。
「なぁ実乃梨、気持ち良いか?」
俺は問う。この姿を見れば一目瞭然、分かりきった事なのに
グイッと俺を押し倒して、身体の上に伸し掛かった実乃梨が耳元で囁く。
『キモチイイよ
その一言に俺は発情する。
彼女の身体を抱き抱え、横にゴロンと転がってマウントポジションを取って胸の谷間に顔を埋めた。
「あうっう。はっ、あ。あ



口で下着を咥えて上に押し上げて外すと、目の前にはプルンと弾ける大きなマシュマロと、呼吸に合わせてフルフルと震える美味しそうなピンクのチェリー。
『食べても良い?』
そう目で伝えると、実乃梨が恥かしそうな顔で言うんだ。
「りゅーじくんは本当におっぱいが好きだねぇ?甘々の甘えん坊さんだぁっ!えいっ☆」
俺は彼女に頭を両腕で抱かれ、柔らかい胸元に押し付けられた。
流行のボディーソープの花の香りと、微かに薫る女の子特有の甘酸っぱい匂いを鼻腔で感じつつ、唇に当たる乳首を口に含む。
いつだったか、実乃梨が言っていた
『赤ちゃんりゅーじくん』
に、俺はなってしまう。
「ふっ!あっ!あんっ!んっう、ふ!」
母性に満ちた彼女の胸を手の平で揉みしだき、乳首を吸う。
強く弱く、そして、また強く。
実乃梨の乳首を夢中になって吸い、舌でねぶる。
着痩せする、引き締まった健康的なエロさを醸し出す実乃梨の身体
でも抱きしめると、折れてしまいそうな華奢な身体。
「あふっんっ!んっ!ああっ
そんな彼女の背中に手を回して優しく抱き締める。心臓がトクントクンと鼓動する音が聞こえる。



「ひゃうぅ〜!あっ!あっ!あっはぁ!」
乳輪に沿って舌を這わせて、乳首を歯で優しく噛むと、俺の身体の下で実乃梨がピクピクと跳ねる。
衣擦れの音と彼女の啼き声そして俺が鳴らす愛撫の水音
それ以外は耳に入らなくなる。
「ダメェ噛んじゃ、あんっ!背中、がゾクゾクしちゃうよぉ。ひうっ!」
俺は実乃梨の太股を触るか触らないか程の優しさで撫で、
きめ細かいスベスベな、手の平に吸い付く肌の感触を堪能しつつ、その手をスカートの中尻へ動かす。
「おうっ
ソフトで鍛えられ、余分な贅肉の無いそれでいて極上の柔らかさを残す、小さな尻
胸に勝るとも劣らない感触に、俺は感嘆の声を洩らす。
「はぁっりゅーじきゅん目付きが変態みたいになってるぜぃ。あはっ痴漢電車でGo?」
「おうっ!痴漢電車でGo!」
うわずった声で実乃梨が遠回しに
『早く可愛がって?』
と言っている。
ちなみに彼女は『こういう時』は普段のおどけた姿は、なりを潜める。照れ隠しに言う時はあるけどな。
さっきも言っただろ?
実乃梨は常に100%の本気だと
「っは!あ、あふっ。んうぅ」


横向きに寝転がり後ろから実乃梨を抱き抱えて、右手で胸を揉みしだき、左手で尻を下着越しに撫で回す。
「ふぁあ。ん、う!あ!」
実乃梨が俺の右手に自分の手を重ねた。
手の平の中で押し返す柔らかい胸。
乳首を摘んで軽く引っ張りながら転がすと実乃梨が、
耳も頬も真っ赤に染め、身体を俺に擦り寄せてサカる
「ん、ふぁりゅーじくんのおちんちん、おっきくなってる」
俺の股間に柔らかい尻を擦り付けながら実乃梨が、そう言う。
「実乃梨の反応が可愛いからさ元気になっちまったよ」
そう返すと同時に実乃梨がクルリと身体の向きを変えて、胸に顔を埋めて恥かしそうに呟く。
「ん『今日は』大丈夫かなぁ?私も頑張るからりゅーじきゅ、くんも頑張ろっ。ねっ?」
ここで冒頭の『悩み事』の答を言わせて貰う。
………
その、うん。アレなんだよ。
実は、俺は性交で達した事が無いんだ。
何度も身体を重ねたのに一度もな。
言っておくが不感症なんかでは無い。
実乃梨と交わっている時は凄く気持ち良いし腰の辺りがムズムズして達しそうにはなるのだ、が。
何故かイケないんだ……


射精感を感じ始めると、どういう訳か腹に力が入っちまって治まってしまう。
最初の内は『緊張してるから』とか『タイミングが掴めない』とかだと思ってた。
でも、どうも違う。
そうこうする内に、実乃梨も『自分のせい』……つまり『具合』が悪いのかも、とか言い始めて悩んでさ。
何とかして、自分の身体の中で俺が射精出来る様に、色々としてくれている。
が、成功していない。
「お、おうっ!今日こそは成功する様に頑張るからさ、んっ
言葉を紡いでいる途中の唇に柔らかい感触。
『全部言わなくて良いよ。解ってる』
とばかりに実乃梨が優しく口付けをしてくれる。
「ん、大丈夫、今日は、愛しのりゅーじくんが無事にピュッピュって出来る様に『秘密兵器』を持って来たのだよ。
……
皆には内緒だぜぇ〜。隠れて使うぜいっ」
顔を真っ赤にした実乃梨が優しい笑みを浮かべて、
ほんの少しだけおどけた口調で『股間の高須棒』こと息子に手を伸ばす
それは、まだ寒さが残る春の夜。
だけど俺達は、夏の陽射しの様に熱く融けていく



続く