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勝手にちわドラP 3
- 「いきなり、お尻っていうのは、どうなのよ?
そりゃあ、好きにして良いよ、って言ったけど…
ちょっと、マニアック過ぎない?
普通、前が先でしょ、常識的に考えて。
ん〜、竜児ってぇ〜実は…かなり変態さん?」
何を言うか、常識的に考えて…変態はお前の方だ。
−遡る事、約一時間。観覧車での、2S会話において、3ドキドキ、2シンクロを修めた俺たちは、
その後の、お楽しみイベントを消化すべく、亜美が言う所の、
『お城みたいな建物』にチェックインした。
-
「へぇ〜色んなタイプのお部屋があるんだねぇ〜
ね?どれにする?」
ズラ〜っと、提示された写真をみる限り、右から三番目の部屋が、良さげだった。
-
「その部屋とか、良いんじゃないか?
「ふぅ〜ん、センス良いんじゃん。」
「どうも。インテリアには結構、拘りがあるんだ。時間と…先立つモノさえあれば。
その手の雑誌にだって、目を通してるし。」
「へぇ〜意外。そんな趣味があったんだぁ〜」
「おう。意外ってどういう意味だ?」
「聞きたい?」
「…いや、やっぱりいい。」
−なんていう、他愛も無い会話も、
「………」
「………」
長くは、続かなかった。
部屋に入るなり、亜美は、黙りこくってしまうし、
俺も、情けない事に、沈黙の徒であった。
2人して、ベッドに座って、向かい合う相手の口元を、見ていた。
実際、亜美の目を見ていないから、本当に、亜美が口元を見ていたかどうか、
それは定かでは、無いが、口元に視線を感じていたし、
亜美も、同じく、『何か、喋れよ』と、思っていたのだろうと思う。
「………黙ってないで、何か喋ってよ。」
ほらな、やっぱり。何か、コイツの考えてる事が、だんだん、解る様に…
「………お前こそ。
……ッ!?ッて、ちょ…何すんだよ。」
なってなかった。
「何って…サービスだよ。」
何を思ったか、亜美は俺の腕をひっ掴み、自分の胸へと引き寄せた。
布地越しにさえ、確かに感じる、その未知の感触に対し、
俺の腕は、熱したヤカンに触れた時の様な、無意識的後退を試みた。
だが、亜美は、ものすごい力で、ギリギリと締め上げて、俺の腕を離しはしなかった。
- 「で、どうよ?亜美ちゃんの胸は。」
その柔らかさと言ったら、むにゅ、でも、ぐにゅ、でも表現しきれるモノじゃなくて、
言うなれば、もにゅ、そう、もにゅ。
押せば、手がどこまでも埋もれて行くような感覚。
こんなに張り出しているのに、全く、押し返して来ないのである。
そして、この手を焼く様な、高温。
「やわらかくて…熱いな。」
「ふふっ、そりゃあ今、亜美ちゃんすっごくドキドキしてるもん。熱いに決まってるよ。
…ねぇ?服の上からで良いの?直に触れてみたくない?」
そう言うと、亜美は、俺の腕から、手を離し、貸してやったそのテのワンピースをスルスルと脱ぎ捨て、
白と淡いブルーの可愛らしいデザインの下着を露わにした。
ーってか、直だと?直…服越しにさえ、これなのに直だなんて…
やるのか?俺は、ついにやるのか?………よ、よし。やってやろうじゃねぇか…
「こわ〜い顔してるよ?ヤル気満々?嬉しいなぁ〜
じゃあ、下着は…竜児が外してよ。」
「お、おう。」
はぁはぁ…お、落ち着け。これはまだ下着だ、そう、まだ下着。
頑張れ頑張れやる気の問題だやれるやれる自分を信じてお米食べろ熱くなれよ…うおお〜
-
「ふ〜ん…可愛くないなぁ〜」
「お、おう。って、何が?」
「だってさ…ブラのフック一発で外せちゃったじゃん?
『焦らないで…ココだよ、ココを外すの…ゆっくり、ね?』
ってやるのが、夢だったのに…な〜んか悔しいなぁ〜
てか、ブラ外した事あんの?」
頑張って、外した俺にまさかのダメ出し。知るか、そんなもん。
「ね〜よ。止めた事はあるけど。
ウチの洗濯は、全部、俺の仕事だからな。
畳む時、フック止めなきゃ、だらしねぇだろ?」
「ふ〜ん、そうなんだぁ?」
「と、いうか、返せよ、俺のドキドキを。ムダに緊張して損した。
マネキンにさえドギマギする善良な男児を捕まえて何を言うんだお前は、まったく。」
と、俺は、今度はちゃんと、亜美の目を見て話した。
- 「あ、ホ〜ントだぁ。目ぇ逸らしてやんの。ね、ちゃんと見て?」
亜美は俺の頬に両手を添えて、ギギギと、強引に視線を下へと降ろさせた。
突如、視界に入ってきた(実は、さっきから、チラチラ見てたんだが)
ミルク色の肌と、ピンク色の乳首が、幻想的な何かに思えた。
まるで、生きている、というか、胸に人格があるみたいで、変な言い方になるが、乳首と目が合った、そんな気がした。
「そんなに、食い入る様に凝視されちゃったら、亜美ちゃん、恥ずかしぃ〜い〜。
…ふっふ〜ん。見とれちゃった?」
「むっムリヤリな事すんじゃねぇ!!」
首は動かせないので、目だけ亜美の鎖骨辺りに上げつつ、抗議した。
その鎖骨が、また扇情的で…なんなんだよ、もう。
「嬉しいくせにぃ〜顔真っ赤じゃん。」
「うるせぇ。」
頬に添えられた手が今度は、両肩に添えられて、
「ほらほら、リラックス〜リラックス〜肩の力抜いて。」
グイグイと指圧してきた。
痛い、痛いって。逆だ、逆。正面から押すな。
「硬くするのは、ほら、もっと下だよ。」
いやらしい笑みを浮かべつつ、亜美の視線は俺の下腹部へと落とされていた。
「また、下ネタかよ。
お前って…美人の癖に、発想が結構オッサンだよな。」
「えっ…?オッサン?
この亜美ちゃんが?」
「おう。それもハゲでメタボで下卑た感じの。」
「…や、それは言い過ぎだって…
女の子なんて、ホントは皆、こんな感じだって。」
「はいはい。」
「ホントだってば。」
この女は、半裸で何を必死に力説しているのだろうか…
あまりのシュールさに、少しだけ、肩が軽くなった気がした。
相変わらず、亜美の身体は、美し過ぎる造形で、そこにあるのだけれど…
「やっぱ、綺麗だな。彫刻みてぇだ。」
「…日々、磨いてるからね。…好きにしていいよ。
鑑賞用で終わらせたら、MOTTAINAI。でしょ?」
好きに…か。
全部、欲しいな。
そう思い、まずは全身を抱き寄せようと、腰に手を回した。
その時、豊満な尻の感触を少しは享受した…かもしれない。
だが、それは不可抗力であり、俺はあくまで、腰に手を回したのだ。
しかし、無情にも、冒頭へ、話は繋がるのである。
「まぁ、竜児が、どうしてもこっちが良いなら、あたしは受け入れるよ。
でも、オススメはしないな、そのための器官じゃないからさ。多分、気持ちよく無いよ。」
などと、言いつつ、亜美は背を向けた。
「いや、違うから、何、勘違いしてくれてんだよ。てか、こっち向け。」
「え?何?お尻じゃないの?」
「違うに決まってるだろ!?
いきなり、飛び過ぎだろ、そこは。」
「えぇ〜〜もう、紛らわしいなぁ。」
腰をクネクネさせながら、残念そうな表情をする。
「…もしかして、期待…したのか?」
「え〜まっさかぁ〜。ナイナイ。
そんなアブノーマルなトコ…ある訳ナイって。」
「…うそつけ。演技下手だな。プロなんだろ?」
「う…。そ〜だよ、どんな感じか、興味あるよ。
『もう、後ろじゃないと満足出来ない。』とか雑誌に書いてたのに…
自分でやっても気持ち悪いだけでさ、良く無かったよ…
でもさ、好きな人にやって貰ったら、どうなのか…知りたくなるじゃん。悪いッ!?」
普段…どんな本読んでんだ…コイツは…
いやいや、そうじゃなくて、それも気になるが、今は、そうじゃなくて、
「逆ギレかよ!?
別に悪くねぇよ。無いけど、何で嘘付くんだよ?」
「だって…絶対、引くじゃん?
女の子がお尻とか…絶対、いやらしい子だって思われるじゃん!?
そんなの…ヤだよ…耐えらんない…」
と、半泣きでのたまう亜美。
「…お前の基準がわからん。
それがアウトなら、他にもっとあったろ、アウトが。
別に、今更、引いたりしねぇよ。
エロかろうが何だろうが…返品する気はねぇ。
てか、何が耐えらんない…んだよ?男はそういうの、割と喜ぶんだぞ?」
「嘘…だって、竜児は、特に綺麗好きだから…
そういうの絶対、嫌がると思って…」
「嘘じゃねぇ。そりゃ、不衛生には違い無いが…
汚れたって洗えるんだ、何度だって。綺麗になるんだよ。
それに、俺だって、性欲はある。掃除機じゃねぇんだ。」
- 「と、まあ、こんな感じだ。詳しい内容は省かせてもらう。
飲食店で話す様な事じゃねぇしな。
その後は、お前も知ってる通りだよ。
学校サボったのが泰子にバレて大変だった。
お前にも迷惑かけたみたいですまなかった。」
「まぁ、それは良いんだがな…高須よ、お前、人の幼なじみに何て事してくれてるんだ…亜美も亜美だが。」
俺の人生で、忘れられない1日から幾日後の放課後、
珍しく、部活も生徒会活動も休んだ北村と一緒に、毎度お馴染みのスドバに来ていた。
まぁ、俺と色々、話をする為に、わざわざ休んで来たんだろうけど…
むさ苦しくも、男2でスバド。
「細かい事だが、一応、言っておく。
俺の亜美だ。お、れ、の。」
「むぅ。何だ、この負けた感…
別に、亜美が誰と付き合おうが関係は無いが…
高須、今だから言うが、お前は、逢坂か、櫛枝か、と思っていたぞ。」
「…櫛枝については、コメントしないが、何故、大河が出てくるんだ?
アイツの名誉のためにも言っておくが、大河の事は好きとかそんなんじゃねぇ。」
特に北村、お前にだけは勘違いされたままだと困る。とまでは、流石に言えないが。
「ほう。その割には親しげだった様に思うが…
それに、女子を下の名前で呼ぶなんて、周りに勘違いしてくれと言わんばかりだ。」
何だ?今日の北村はやけに噛みついてくるな…
「お前だって、亜美を呼び捨てにしてるじゃないか。」
「幼なじみだからな。お前達は違うだろう?」
「同じ様なモンだろ?家が隣なんだ。
泰子とも仲良いしな。」
「なるほど…じゃあ、これは言わないつもりだったんだが…」
似合わないニヒルな笑みを浮かべるメガネ。
マジで何か様子が変だ…どうしたんだ北村の奴は。
「何だよ?」
「高須と亜美、あれだけ、公然とイチャついてるのに、
- 周りが、まるで冷やかさないのは、どうしてだと思う?」
- 「さぁな。皆、そんなに興味ないんじゃないのか?
というか、別に、公然とイチャついてねぇ。」
「そうか。生徒会に何通か、クレームが届いているんだがな。
『自動販売機が使えません。死ねばいいのに。』とか色々。
新学期初日、お前達が、学校をエスケープした日な、逢坂が暴れたんだよ。
そりゃ大変だったぞ。逢坂が退学にでもなったら、俺は逢坂に対して、お詫びのしようも無いから、
必死で止めようとしたんだが…俺、1人じゃ止められなくてな、
櫛枝と、2人がかりでなんとか止められたんだ。
まぁ、そんな事はどうでも良くて、問題は逢坂が、何故暴れたか、だ。」
『竜児とばかちーの事で余計な詮索はするな。
何か言う奴がいたら、私が、地獄の道連れにしてやる。』
と、大河特有の巻き舌を北村は見事に再現してみせた。
「新学期早々、2人して休めば、そりゃ注目される。
しかも、2人とも席に鞄を置いたままだ。まぁ、それは俺が、生徒会室に一時、保管させてもらったんだが、
まあ、クラスはちょっとした騒ぎになった。
逢坂は、全部理解した上で、無遠慮に騒ぐクラスメートが許せなかったんだろう。
まあ、そういう訳だから、2−Cにおいて、お前と亜美の事は、禁則事項となったんだ。
例外は、亜美と特に仲の良い、木原や香椎が、軽くからかうのが許される位か。」
大河が暴れた?北村の制止も聞かない位?何故だ…何故そこまでしてくれたんだ?俺の…ため?
「まあ、その事はさておき、高須よ。ここ、2、3日、亜美が学校を休んでいるが…
まさか、何か、あったのか?したのか?
俺の目を見て正直に言え。」
「別に。何も無いし、してもない。仕事で海外に出てるんだよ、今。
電話かメールで、連絡はちゃんと取ってるから心配すんな。」
「そうか。お熱い事で何よりだな。聞くんじゃなかった。」
はぁ、と心底気だるい感じで、溜め息をつく。
「北村…疲れてんのか?お前、変だぞ?」
「いいや。疲れてなんかない。
俺は嫉妬してるんだ。」
「嫉妬?」
「ああ、嫉妬だ。
俺は、お前の事が好きだったのに…
それなのに、亜美に取られてしまって、傷ついている。」
……………
「冗談だよ。そこまで露骨に嫌そうな顔する事ないだろう。」
「いや、するだろ普通。
ていうか、お前の冗談は解り難いんだよ。」
- 「俺が言うのもなんだが…可愛い事は可愛いからな、亜美は。
親友に先を越されてしまった俺は、なんとなく取り残された感じがして、
ちょっと嫉妬してるってだけだ。」
「…そうか、いや、でも、お前には…」
大河が…危うくそう言いかけて、なんとか飲んだ。
「…いや、何でもない。」
「…何だ?煮え切らない奴だな。
- なあ高須?お前、俺の事どう思う?
変な意味じゃない。性格と言うか…人間性の話だ。
- 好きか嫌いかじゃない。本当にどういう性格の人間だと思う?」
「何だ?いきなり。
北村は、そうだな…真面目で頭も良くてスポーツも万能。そして、生徒会長。じゃないのか?」
「ふむ、なら、その性格が作られた俺だとしたら、お前はどうする?」
「いや、どうもしないが…」
「聞き方が悪かった。
もし、亜美の性格が…いや、亜美はよそう。参考にならん。
そうだな、逢坂と櫛枝のキャラクターが作りもので、
本当の逢坂は、豪快で鮮烈なキャラクターじゃなく、
控えめで悩んだり泣いたりする様な女の子。
櫛枝のポジティブさも実は、ネガティブな影を孕むものだとしたら…どうだ?」
…櫛枝は知らないが、大河は、本当にそういうとこもあるんだけどな…
「大河はさておき、櫛枝は、ちょっと考え難いな。」
「そうか。もし、そうだったらショックを受けるか?」
「いや、ショックは受けないが…
と、言うか何の話だ?これは。」
「あ、あぁ、スマンスマン、ちょっとした心理テストだ。
別に深い意味はない。」
「なくはないだろ…おま−
ピロロロロ〜ン♪ピロロロロ〜ン♪
「おや、携帯鳴ってるんじゃないか?」
「おう。ホントだ。
…亜美からのメールだ。」
「ほう。お熱いな。
良かったら見せてくれ。」
「おう。ほら、別に大した事は書いて無いぞ?」
- from:あ〜みん
sb:水着買ったよぉ〜☆
添付:
こっちでおニューの水着買っちゃった☆
亜美ちゃんに似合うかなぁ〜どう?↑
修学旅行用なんだけど、ちょっと地味かな?
楽しみだねぇ〜沖縄♪
「あ、添付ピクトは見るなよ?」
他人に見せるには、ちょっと布地が少なすぎる気がする、
後で、そう返信しておこう。
「おぉ、そういえば、もう、修学旅行だな。
楽しみだ、沖縄、青い海。」
「おう。そうだな。確かに楽しみだ。」
この後、北村の様子も普段と変わりなく、俺たちは、修学旅行の話から普通の雑談をし、
適当にコーヒーを飲んで家へ帰った。
この日、北村が漏らした妙な話の事など、修学旅行に行くまで、完全に忘れ去っていた。
つづく
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